パワフル「川漁師」は75歳 花を愛で季節の「川の幸」を堪能する 福岡・矢部川
福岡県八女市の矢部川。アユやカニなど季節ごとに様々な生き物が獲れます。50年以上漁を続けてきた75歳の漁師の「スッポン漁」に、RKBのカメラマンが密着しました。バリバリの方言をそのまま、文字にしてお伝えします。読んでも分からない部分は、映像でご確認を。=撮影:吉川紘大・丸本知也
目次
河川敷の草刈りを独り始める
片小田さんは2023年5月、長年ボランティアで続けてきた草刈りが評価され、八女市から表彰されました。片小田さんが河川敷の草刈りを始めたのは19年前。人が入られないほど茂っていた雑草を刈り、ごみを取り除き、月見草など花を植えて少しずつ増やしてきました。
片小田正行さん「これが月見草ったい。これを残さないかんたい。他の草を切っての。手入れせんなら無うなってしまう」
Q.他の草が栄養を取る……。
片小田正行さん「うん、強か強か」
「矢部川の河原を、花でいっぱいに」
「わぁー! すごい、すごい!」
夕暮れ時に次々と咲き始めたのは、月見草です。30分ほどで、一面満開になりました。6月には月見草。9月には彼岸花――。「矢部川の河原を花でいっぱいにして、人が集まれる場所にしたい」と活動を続けています。
片小田正行さん「草ば切り始めたろ、切り始めたけんで今度は止められんたいな。きれいにしとくと、ゴミも捨てらっされんしくさ」
河川敷の草刈りや花植えも始めた当初は独りでしたが、だんだんと地域の仲間も手伝ってくれるようになりました。花が咲く時期には、近所の人はもちろん、外国人観光客が記念撮影に訪れることもあります。草刈りは年間50日以上。言わば「令和の花咲かじいさん」です。
「スッポン漁」成果はいかに?
8月2日。果たしてスッポンは、かかっているでしょうか?
片小田正行さん「かかっとったぁー……捕れました」
片小田さんの読みは的中。狙った場所で予想以上にスッポンがかかっていました。
「これが一番太かぁ」
3本針作戦も大成功です。全部で14匹のスッポンを釣りあげました。
「矢部川は、あんたの人生たい」
さっそく、自宅で調理します。スタミナたっぷりスッポン鍋の完成です。
片小田正行さん「お疲れさんでしたー、乾杯!」
同級生らと“初もの”をいただききます。
片小田正行さん「おいしか。楽しみにしとった」
同級生「夏バテなしですね。スッポン食えば」「朝起きた時に分かる。顔がツルッとしとお。コラーゲンやけ、全部」
片小田正行さん「こげんやって飲むとが楽しみで、捕りよっちゃけんな。(矢部川は)遊び場であって、楽しむ所でもあるし。朝起きたら矢部川やろうが。ずーっと子供の時からこの状態やけくさ。自分は、アユとスッポンとカニたいな。その3種類は、しよる」
同級生「矢部川は、あんたの人生たい」
花を愛で、季節ごとの漁を楽しむ
片小田正行さん、75歳。これからも花を愛で、季節ごとの漁を楽しみながら矢部川とともに生きていきます。
Q.スッポン漁はあと何年続けますか?
片小田正行さん「何年ちゅうか……我がさるるしこ良かくさね」
Q.何歳まで頑張りたい?
「何歳まで頑張るかいなぁ。スッポンで栄養つけよるけんな。なるだけ」
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この記事を書いたひと
丸本知也
映像部カメラマン
山口県出身の53歳。福岡大学商学部第二部卒。1992年からカメラマンとしてRKB報道部を中心にニュース・ドキュメンタリー番組を制作。現在は映像部デスクとして後輩の指導に楽しみを感じて日々を過ごす。趣味は釣り・海でルアーフィッシング。魚釣りの企画も季節ごとに制作。