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鉄道路線の一部を「バス路線」に置換し、学校や病院などの近くに新たに24駅~沿線の悲願「BRTひこぼしライン」が開通

豪雨被害から6年ぶりに新たな出発です。JR日田彦山線のうち、九州北部豪雨で被災し不通となっていた区間が28日、BRT=バス高速輸送システムとして運行を再開しました。

一部“バス化”で学校や病院などの近くに「新たに24駅」


運行を開始した「BRTひこぼしライン」。始発地点となる福岡県添田町の添田駅では、町長から乗客に記念品が配られたほか、たくさんの地元の人も駆けつけ開業を祝いました。

添田町・寺西明男町長「町としてひこぼしラインをひとつの基軸として盛り上げ、周辺市町村と連携しながら活性化を頑張っていきたい」

JR日田彦山線は6年前の九州北部豪雨で被災し、添田駅と大分県日田市の夜明駅の間で不通となっていました。添田駅と日田駅を専用のバスで結ぶBRTひこぼしラインは、彦山駅と宝珠山駅の間は線路を改修したBRT専用道を、そのほかは一般道を走ります。所要時間は約1時間32分と列車より長くなりますが、運行本数は32本と鉄道の時より10本増え、駅は本来の12駅に加え、学校や病院、市役所の近くなど新たに24の駅を設けています。
 

沿線住民の悲願の“交通機関”活性化につながるか


地元の人「駅が増えたから町民にとってすごく便利になる」「汽車も通ってほしかったけど・・・」「専用道を疾走する、気持ちいいなと思って想像以上に楽しかった」

復旧をめぐっては、沿線の自治体から鉄道での復旧を強く望む声もあり、協議は難航しましたが、被災から3年後の2020年、BRTでの復旧が決まりました。九州北部豪雨での被害が大きく先月の大雨でも被害が出た東峰村の真田村長は、ひこぼしラインの開業を観光客の誘致につなげたい考えです。

東峰村・真田秀樹村長「住民の足はもちろんですが、いかに観光の振興策として利用促進をするか。乗り合いタクシーを始めBRTとMaaSをつないで観光地をつなぐ、その中でどのような体験をするかの部分をしっかりやらなければ」

東峰村の住民「賛否両論ありますから、年がいって免許を返納したら、道路を通ってもらって近場から乗れるほうが便利はいい。これはこれで利用価値がある」「開業前はイベントがあっていたから、また始めてもらってどんどん来ていただければね」

開業を機に利用の促進を図ろうと、JR九州と沿線の自治体などは28日、観光施設や飲食店で割引なども受けられる1日乗り放題チケットの販売をスマートフォンのアプリで始めています。6年の歳月をかけて開業したBRTひこぼしライン。住民の足としてだけでなく、地域の活性化につながることも期待されています。

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