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「あなただけの特注旅行を考えます」1人での外出が難しい人をサポート 福岡市のNPO法人

車椅子を利用する高齢者や障害者など、移動に支障がある人たちは旅行や外出を気軽にすることはできません。「旅行や外出を諦めることなく笑顔ですごしてほしい」との願いを込め、オーダーメイドの手厚いサポートを提供するNPO法人を取材しました。

「能古島で色とりどりの花を見たい」


一面に広がる満開のコスモス。10月18日、福岡市西区の能古島は多くの観光客でにぎわっていました。

Q.お花がお好きなんですね。
岸川小夜子さん「大好きです」

車椅子で島を訪れたのは岸川小夜子さん(81歳)。同行しているのは、岸川さんの家族ではありません。高齢者や障害者など、1人での外出が難しい人を介助しながら同行するサービスを提供するNPO法人「あすも特注旅行班」の代表理事、大橋日出男さんです。「能古島で色とりどりの花を見たい」という岸川さんの要望を受け、日帰りの旅行を企画しました。

「あすも特注旅行班」代表理事 大橋日出男さん「やっぱり、ご利用者さんが楽しんでいるシーンに一緒にすぐ横にいることができる、お供させてもらえるのが私の喜びですよね」
 

「少しのサポートがあれば外に行けるのでは」


大橋さんがこのサービスを始めたのは9年半前。九大病院で看護師として勤務していた時に、自宅に帰ることもできずに入院したまま亡くなる患者の姿を多く目にしたことがきっかけでした。

大橋日出男さん「入院したまま亡くなってしまう方々も、少しのサポートがあれば外に行けるんじゃないか、おうちに帰ったりきれいな景色を見たりご家族と一緒にご飯を楽しんだりできるんじゃないか、と思っていました」

利用者に合わせて電動車椅子を準備


「あすも特注旅行班」の外出サポートは、入念な事前準備から始まります。

大橋日出男さん「この車椅子だと押す人が大変だし、危ないかな」

足を悪くして車椅子での生活を余儀なくされた岸川さんは、現在、福岡市内の老人ホームで生活しています。

岸川小夜子さん「膝は悪いし、あっちもこっちも悪くて…」

岸川さんの状況を聞き取った大橋さんは、急な坂道や段差が多い能古島での滞在を快適なものにするため、電動アシストの車椅子を準備しました。説明を受け、岸川さんの期待も高まったようです。

岸川小夜子さん「周りが海でしょ。だから気持ちも晴れるし、きれいなお花も見てね。楽しみにしてますよ」

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