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ロシアがウクライナに侵攻してまもなく2年。現地で暮らす子供たちが描いた130枚の絵が、福岡県北九州市の美術館に展示されています。日本に避難した22歳の大学院生が集めたもので、戦争が子供たちのメンタルに及ぼす過酷な現実を静かに突きつけています。
作者は6歳~15歳までの子供たち
我が子を抱きしめる軍服姿の父親。タイトルは「生きて帰ってきてね!」描いたのはウクライナに住む14歳の少女です。
福岡県北九州市立美術館分館には、今、ウクライナに住む6歳~15歳までの子供たちが描いた130点の絵が展示されています。
「3700を超える学校が破壊された」
会場の壁に貼られたウクライナの地図。地図上に並んだ数字を足し合わせると3700を超えています。
イレーナ・バランさん(22)
「この数字は、破壊された学校の数です」
こう話すのは、ウクライナ西部テルノーピリ出身のイレーナ・バランさん(22)。ロシアによる攻撃で被災し、去年3月、日本に避難してきました。現在は、北九州市立大学大学院で建築デザインに関する研究をしています。
実際に感じたことが素直に描かれている
今回展示されている数々の絵は、イレーナさんが母校などの協力を得て集めたもの。この惨状を知らせる力になればと、祖国から避難する際、日本に持ち込みました。そして今回、絵をみた研究室の教授が展覧会の開催にこぎつけました。
北九州市立大学 国際環境工学部
デワンカー・バート教授
「子供たちが現地で実際に感じていることを素直に描いているので、その絵を見れば私たちも何かを感じるものがあるのではないか、と思いました」
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この記事を書いたひと
下濱美有
1996年大阪府生まれ。2019年入社。本社報道部で事件取材担当後2020年~北九州市で警察・司法・市政を担当。得意分野は芸術。