工藤会市民襲撃事件 2審の福岡高裁がトップ・野村被告に無期懲役 1審判決を破棄
市民を標的にした4つの襲撃事件に関与したとして1審で死刑判決を受けた特定危険指定暴力団「工藤会」トップ・野村悟被告(77)らの控訴審の判決公判が12日午前10時に始まり、福岡高裁は、1審判決を破棄し、トップに無期懲役の判決を言い渡しました。元漁協組合長射殺事件については、無罪としています。
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福岡高裁 1審判決を破棄
12日午前10時に始まった控訴審判決公判で、福岡高裁は、1審判決を破棄し、トップに無期懲役の判決を言い渡しました。4事件のうち、元漁協組合長射殺事件については、無罪としています。一方、田上被告の控訴についてて棄却しました。
控訴審では田上被告が2事件への関与認める
両被告は判決後に弁護人を全員解任し、控訴審に臨みました。去年9月に始まった控訴審では、弁護側が田上被告の主張を一転させ、4事件のうち看護師と歯科医師を襲撃した2事件について、田上被告が単独で指示したと主張しました。野村被告は4事件すべてで指示を出しておらず改めて無罪を主張。弁護側は1審判決について「重大な事実誤認があり、破棄されるべき」と述べ、野村被告の死刑判決が維持されるかが最大の焦点となっていました。
捜査を指揮した元刑事部長「悔しい、残念だ」
当時、4事件の捜査を指揮した元福岡県警刑事部長の尾上芳信さんは、 「(野村被告を無罪とした)元漁協組合長射殺事件の判決について、厳しい判決と受け止めている。野村被告についても共謀共同正犯として犯人性があるとして逮捕起訴した。田上被告については有罪、なぜ野村被告だけが共謀から外れたのかコメントしようがない。歯科医師刺傷事件では、同じ漁港でみかじめに絡む事件なのに、控訴が棄却され、野村被告の共謀が認められている。悔しい、残念だ。(判決に)驚きもあった。1審が維持されるものと確信していたので全く納得できるようなものではない」と話しました。今後の捜査への影響については、「大きく捜査に影響を与えることはないと思う」としています。
福岡県警本部長のコメント
福岡県警の岩下剛本部長は、「工藤会トップらの控訴審において、判決の主文が示されたが、県警察としては、あくまでも通過点として、工藤会が壊滅に至るまで、いかなる状況下であろうと、いささかも手を緩めることなく、県警察の総力を挙げた諸対策を徹底して進めていく。 工藤会組員の諸君は、今回の判決をひとつの区切りとして、工藤会と決別し、更生の道を歩んでほしい。県警察がしっかり支援していくので、いつでも相談してもらいたい」とコメントしました。
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