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“南海トラフ巨大地震”津波からの避難「計画なし」の自治体も 「行政がやらないなら市民は当然動かない」と識者

今後発生が予想される南海トラフ地震。福岡県内でも周防灘沿岸で津波の被害が予想されていますが、津波に備えた防災計画の作成が遅れている自治体もあります。

10メートル超の大津波が広い地域に…

 

1月1日、石川県能登半島を襲った最大震度7の地震では、災害関連死を含めて241人が亡くなり、今も5人の安否がわかっていません。気象庁の現地調査によると、今回の地震による津波の高さは、最大4.7メートルまで達していたとみられています。

 

 

一方、今後起きる地震で大きな津波被害が予想されているのが「南海トラフ地震」です。

 

 

「南海トラフ」とは、駿河湾から日向灘沖までのフィリピン海プレートと、ユーラシアプレートが接する、海底の溝状の地形を形成する区域です。海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込み続けていて、耐えられなくなったプレートが跳ね上がることで地震が発生。太平洋沿岸の広い地域に10メートルを超える大津波が襲来すると想定されています。

 

 

RKB浅上旺太郎「北九州市門司区猿喰地区です。付近は干拓地で、ほとんど田んぼですが、ところどころ住宅も見えます」

この地域は、南海トラフ地震が発生した場合福岡県内で最も高い3.5メートルの津波が来ると予想されています。

 

 

Q.備えてはいますか?
近くに住む人「いや、してないですよね、しないといけないし、子供からもそう言われているんですけど、80歳を過ぎているから、どうしようかとは思うけど」

堤防が低い地域に3メートル超の津波が来たら…

 

国は2014年に基本計画を作り、3メートル以上の津波が予想され海岸堤防が低い地域など、全国707市町村を防災対策推進地域に指定しました。

 

 

福岡県内では、北九州市・行橋市・豊前市・苅田町・吉富町・築上町の6市町が対象となっています

 

 

豊前市防災安全係 松崎克哉さん「豊前市南海トラフの防災対策推進計画を策定して、南海トラフに備えています」

 

 

推進地域に指定された自治体は、避難経路や津波の被害を防ぐ方法、日ごろの訓練などを記した「防災対策推進計画」を作ることが努力義務となっています。

 

 

豊前市防災安全係 松崎克哉さん「この計画に基づいて、訓練や職員の研修をすることが一番大事だと思う。これを作った後に、実際に海岸線沿いの地域に高齢者施設がある地区がありますが、南海トラフを想定した避難訓練を実施したり、啓発活動を行ったりしています」

 

 

豊前市では、情報を伝える手段として、防災無線を活用しています。ただ、「雨の日や風が強い日は聞こえにくい」という住民の声が寄せられたため、2020年から各家庭に防災ラジオを配布しています。現在、市内の約8割の家庭に設置されているということです。

豊前市防災安全係 松崎克哉さん「住民の生命財産を守らないといけないので、被害をゼロに抑えるということを念頭に置いています」

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