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睡眠時や起床時に感じる動悸と自律神経の関係

大賀薬局

夜中に目が覚めた時に、何か怖い夢を見たり、びっくりして起きたわけでもないのに、なぜか心臓がバクバクしていたり、朝の起きがけに、動悸を感じたことはありませんか。
 

時々感じることがあれば、何か心臓の病気なのではと不安になる方もいるかと思いますが、定期的な健康診断や検査などでも、特に異常が見られない場合には“自律神経の乱れ”によるものが、その要因の一つとして考えられます。

自律神経と動悸の関係

まず、一番多いケースとしては、日頃からの「自律神経」には、交感神経と副交感神経があって、それぞれに心拍数をコントロールする働きを持っています。

交感神経が活発になると、筋肉は収縮して、血圧は上昇し、心拍数も増加していき、動悸を感じやすくなります。

逆に、副交感神経が高まってくると、筋肉はゆるみ、血圧が下がって体がリラックス状態となり、心拍数も下がってきます。
 

通常、自律神経は主に、活動している時は交感神経が優位に、休んでいる時には副交感神経が優位に働くようになっています。

こうした自律神経のバランスが、何らかの原因により乱れ、うまく切り替わらなくなると、体を休めている時や朝の起きがけなどに、交感神経が突然活発になり、心拍数も上昇して、動悸を感じやすくなります。

自律神経が乱れる原因

自律神経のバランスに乱れをきたす原因については、主に、以下のようなことが考えられます。
 

●長期にわたるストレス、あるいは、過度なストレス
●寒暖差や気圧の変動が激しい時
●常にエアコンの効いた快適な環境に長くいる時
●生活習慣の乱れや睡眠不足
●更年期や加齢によるホルモンの分泌量の減少
 

その他にも、いま飲んでいる薬の積み重ねによる副作用や、肥満(太り過ぎ)などがきっかけとなって、動悸があらわれてくることもあります。

中でも肥満の人は、血管や心臓への負担が大きくなり、動悸が起こりやすい傾向にあります。特に寝る時の姿勢によっては、心臓を圧迫しやすく注意が必要です。
 

原因の改善には漢方も効果的

たまに起こる動悸や不整脈のほとんどが、心臓の機能自体に異常がなく、健康な人でもごく普通に起こる、医療的な処置が必要のない「期外収縮」という症状だとも言われています。
 

検査などで医師から、心配はいりませんと言われても、気になるようなら、気付け薬とも呼ばれている「救心」や「六神丸」、「感應丸」などの生薬製剤で動悸をしずめたり、明らかにきっかけが思い当たるようであれば、それに合わせた〝漢方薬″を使ったりして、根本的な動悸の原因の改善に取り組むのが効果的だと思われます。
 

漢方薬には、動悸という効能が記載されているものが数多くありますが、問診などで詳しく一人一人の体質を見極め処方していくことで、それぞれによい効果を発揮してくれます。

日頃から取り組む対策法

このような動悸の症状への、日頃から取り組むべき対策としては、少しだけぬるめのお風呂にゆっくり浸かって、副交感神経の活性化をはかったり、改めて生活上の不摂生を見直し、十分な睡眠を心がけたりすることなどが重要になります。


それでも、動悸が数日にわたり続くようなことがあれば、心臓自体の問題も疑われますので、専門の医療機関に、いつから始まり、どんな時に起こるかなどをしっかりと伝えて、詳しく診断してもらうことをおすすめします。
 

動悸に加えて、息切れや胸の痛み、めまいや手先の震えなどの症状が起こるようでしたら、迷わず早めに病院に行って下さいね。

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この記事を書いたひと

大賀薬局

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福岡市博多区に本社を置き、ドラッグストア、調剤薬局などを展開する。創業、明治35年(西暦1902年) 。健康に関する様々なコラムを展開しています。