｢ギャー！｣｡本来リポートすべきところで､私の絶叫が響き渡った｡4月から始まった､ＲＫＢテレビ｢タダイマ！｣の新コーナー｢ハシモトゆきます！｣の取材でのひとコマである｡私が各種スポーツを取材し､体験するという内容だ｡
初めての取材先は、大学の女子ラグビー部。ここでは、ラインアウトの際にボールを取る選手を他の選手が持ち上げる「リフト」を体験した。ラグビー観戦が大好きで、幾度となく見てきた「リフト」だが体験するのは初めてだった。
2人の選手が前後に立ち、私の膝を持って掛け声とともに一気に持ち上げる。身長162センチの私の目線は、一瞬で2メートルを超える地点に到達した。私を支えるものは、彼女たちの手以外何もない。あまりの速さと高さに、リポートをする余裕はなく、絶叫することしかできなかった。
持ち上げられるだけでも相当な恐怖だったが、選手たちはこの状態でボールを奪い合い、着地した瞬間からタックルに耐え、闘っているのだ。これまでにない尊敬の気持ちが湧き上がってきた。
パリ五輪の開幕も7月に迫り、スポーツ熱も高まっている。ひたむきに努力する姿は美しい。そんな選手たちの努力と技を間近で見て、体験する新コーナー。スポーツとアスリートの魅力を存分にお伝えするべく「ハシモトゆきます！」
6月15日（土）毎日新聞掲載
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