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いざという時のために備える ~台風に強い家づくりのポイント~

いざという時のために備える ~台風に強い家づくりのポイント~

毎年夏から秋にかけて日本にやってくる台風は、強い雨や風による被害をもたらします。近年は大型台風が発生することが多いため、家の安全性を高める工夫が必要です。
 

台風に強い家の特徴や台風に耐えうる家づくりのポイントについてご紹介します。
 

台風に強い家の特徴


台風による被害は激しい雨による「水害」、強風や突風による「風害」、海や川の水面上昇による「高潮害」の3つに大きく分けられます。台風はどの地域に住んでいても被害に遭う可能性があるため、これら3つの被害を想定して対策を施した家が台風に強い家と言えるでしょう。
 

台風に強い家の主な特徴をご紹介します。
 

防水性や耐風性が高い外装材を使用している

台風の進路に近い場合、台風が近づいてから通り過ぎるまで大量の雨や激しい風に見舞われることになります。強い雨や風の影響をもっとも強く受けるのが屋根、その次が外壁でとても大きな負荷がかかります。耐久性や防水性が高い屋根材や外壁材を使っていると、台風による被害を抑えやすくなります。
 

基礎を高くしている

海や川が近いエリアの土地に家を建てている場合、台風の規模によっては高潮の被害を受ける可能性があります。また、海や川からは離れているものの周囲より土地が低い場合は、雨水が敷地内に流れ込んで浸水被害が出やすいです。高潮や浸水の被害が起こる可能性の高い土地に家を建てる場合は、家の基礎を高くすることで家の中への浸水リスクを減らせます。
 

家全体が単純な形状である

家全体の形状がシンプルであるほど、台風の影響は受けにくくなります。家の形状が複雑だと軒や庇・外壁の角部分が増えて、強風時の影響も大きくなるからです。凹凸が少ない長方形や正方形の単純な形状は、地震の揺れに耐えやすくなるというメリットもあります。
 

台風に耐えうる家づくりのポイント


常に移動している分、被害を受ける時間は比較的短い反面、進路によっては甚大な被害を受ける可能性があるのが台風の怖いところです。また、台風本体と距離が離れていても局地的にひどい雨や風に襲われる可能性はゼロではないため、家づくりにおいて台風対策を考慮しておくことが大切です。
 

台風に耐えうる家づくりのポイントをまとめました。
 

大雨や強風に耐えられる外装材を採用する

大雨の影響で浸水が発生したり、台風による強風で屋根材や外壁材が剝がれたりする可能性をできるだけ抑えるために、防水性や耐風性が高い外装材を採用しましょう。防災瓦やガルバリウム鋼板など耐風性が強く屋根下地にビス固定できる屋根材、金属系サイディングなどの外壁材は防災効果が高いと言えます。
 

また、台風の影響で発生した突風によって飛来物が衝突することがあります。耐衝撃性が高いタイルで外壁を仕上げるのも効果的です。
 

窓に耐風シャッターを設置する

台風の進路や大きさによっては強風が長時間続き、飛来物で窓ガラスが破損するリスクがあります。特に住宅密集地では、近所の家の屋根瓦や物干し竿、植木鉢などが飛んでくる可能性が高いため、窓ガラスが割れないよう対策しておくことが重要です。
 

窓に耐風シャッターを設置しておけば、強風が吹く前にシャッターを降ろしておくことで飛来物の衝突による窓ガラスの破損を防げます。
 

耐風圧性や水密性の高い窓ガラスを選ぶ

シャッターを設置する方法とあわせて考慮したいのが窓ガラスの選定です。万が一耐風シャッターが破損や歪みなどを起こした場合に窓ガラスが割れないよう、耐風圧性が高い複層ガラスにしておくと安心です。強風にあおられて雨水がサッシのすき間から室内に侵入しないよう、水密性に優れた窓ガラスを選ぶのもよいでしょう。
 

平屋にする

家族構成や、ライフスタイルによる要望や敷地条件などがクリアできるのであれば、平屋にするという選択もおすすめです。二階建てと比べて家全体の高さが低く、地面との設置面が大きい平屋は、建物の重心が低く安定しているために台風時の強風の影響を受けにくいです。長方形や正方形など全体をシンプルな形状にすれば、より台風に強い家になります。
 

陸屋根にする

台風特有の強風の被害を最小限に抑えるには、風の抵抗をなるべく受けない造りにするという方法が有効です。その一つとしておすすめなのが、屋根勾配がない陸屋根にすることです。高い防水性能と定期的な排水溝・雨樋の清掃が必要ですが、瓦やスレートなどの屋根材を使わないため、強風を受けても飛ばされる心配はありません。
 

浸水リスクが低い土地を選ぶ

台風に強い家づくりにおいて、家本体に加えて土地選びも重要なポイントです。台風による被害のうち、豪雨による洪水や土砂災害は甚大な被害をもたらすことが多く、家本体の強化だけではとてもカバーできないからです。自治体が公開しているハザードマップをしっかりチェックして、洪水や土砂災害が過去に起きているエリアは避けることが大切です。

 

まとめ

台風は地震とは違って事前にある程度進路や規模を把握できますが、大雨と強風が同時にやってくるため被害も大きくなりがちです。台風による被害への不安を少しでも抑えるために、家づくりの段階で台風対策をしっかり検討しておきましょう。今回ご紹介したポイントをぜひ参考にしてくださいね。

 

WRITER

 

河野 由美子 二級建築士・インテリアコーディネーター・防災備蓄収納1級プランナー

住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手ハウスメーカーでの勤務を経て独立。 日常の中に非日常を感じられる空間づくりをコンセプトとし、住宅やオフィス・医療施設・店舗などの設計およびインテリアコーディネートに携わっています。 建築インテリア関連記事の企画執筆や監修業務、研修講師、建築関連資格対策テキスト監修、工務店施工事例集ディレクションなどの実績も多数。

 

 

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