「特異日」というのをご存じでしょうか?1年のうちで、ある特定の天気が現れやすい日、つまりその天気になるのが「得意」な日を「特異日」と言います。例えば、11月3日の文化の日は、全国的に晴天になりやすい、「晴れの特異日」として有名です。では「台風の特異日」はあるのでしょうか。実は、9月に2回も大型の台風が来やすい日があるのです。
一つ目の特異日は9月17日ごろ。過去大きな被害をもたらした台風としては枕崎台風、第2室戸台風などがあります。近年だと2013年の台風18号。近畿地方で洪水被害が多発し、京都・福井・滋賀に初めて大雨特別警報が発表されました。
二つ目の特異日は9月26日ごろ。過去には狩野川台風や伊勢湾台風などが上陸しました。また、青森県で甚大なりんご落下被害をもたらし、りんご台風と呼ばれるようになった1991年の台風19号もこの時期です。
なぜ9月17日ごろと26日ごろに台風の直撃が多いのか、それは定かではありません。ただ、9月は大型の台風が来やすい時季と言えます。9月は8月よりも海面水温が高いため、台風が発達しやすいのです。統計的なデータではありますが、「台風の特異日」、覚えておいて損はないのではないでしょうか。
横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2024年9月14日掲載
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