世界に一つだけの針
半世紀以上にわたってミシン針の開発・生産を行ってきた熊本の「九州オルガン針株式会社」。取り扱う針の種類は5000種類以上。1日に生産する針の数は約50万本。グループでのシェアは世界トップを誇る。中でもオリジナル商品である「NS針」はその技術が詰まった最先端のミシン針。
針が生地を貫通する時の抵抗を大幅に低減していて、世界でも唯一無二の針。世界で活躍するファッションデザイナーの服を仕立てる縫製工場になくてはならないものとなっている。その開発・生産の中核をなすのが、生産本部長である早野守さん(53)。
30年以上に渡って針一筋に取り組んできた。2017年には早野さんが陣頭に立ち開発した「極細多面研磨機」によってさらに鋭く高品質な針が作れるようになった。現在九州オルガン針は長年磨いてきた技術を生かし精密分野に進出。
ミシン針だけではなく、美容・医療・精密機械、さらには考古学の分野でもその針が使われている。中でも熊本大学とタッグを組み新しく生み出した針は、医学研究において課題となっている「ある問題」を解決に導きうる、世界が注目する針だ。「一本の針に心を込めて」愚直に針を作り続ける九州オルガン針の取り組みを追った。
企業名:九州オルガン針株式会社
代表者:取締役生産本部長 早野 守さん
住 所:熊本県玉名郡玉東町稲佐288
電 話:0968-85-3131
ホームページ:https://www.kyushu-organ.co.jp
取材後記
ミシン針づくりの取材のはずが、気が付けば、動物愛護・医学の進歩の話へ。どんどん壮大になっていきました。その熊本大学と共同開発した「Ez-Plant」ですが…
開発スタッフの1人は、より良い物を作る為にと、社会人大学院を受験して医学部に入学し、修士号を取得したのだとか!とんでもない熱意に頭が下がります。
ミシン針を作っていた町工場が生み出した、動物愛護と医学の進歩を両立した注射針。もうすぐ特許取得が完了する(12月5日執筆時)そうで、特許取得後からは海外に向けて本格的に進出していきます。
これからの医学研究の新たな指針となってくれることを願ってやみません。
(RKK熊本放送/宮崎 貴司)
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