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『五感喜ぶ!新しい「い草」スタイル』

畳やござの素材として古くから日本人の暮らしに寄り添ってきた「い草」。消臭効果や抗菌効果、また弾力性もあり、心地よい清涼感のある素材だが、洋風のライフスタイルが定着した今、その存在感は低下しているのが現状だ。「い草」も輸入が増えて市場の8割を外国産が占めるようになっている。


そんな状況に危機感を抱いたのが、福岡県大川市でい草製品の企画製造を行う会社「インスタイル」代表、石橋直樹さん。祖母と父は江戸時代から福岡県筑後地方に伝わる「掛川織」の作り手。幼いころからい草に慣れ親しんできた。
 

インスタイルでは国産い草にこだわり、昔ながらのイメージを変える配色やデザインの斬新ない草製品を生み出している。い草で出来た靴の中敷き「タタミインソール」をはじめ、マスクケースやポシェット、カップスリーブやベビーカーシートなど、従来のい草製品のイメージを塗り替える製品の数々は、その目新しさと機能性が注目されている。

 

「伝統」と「変革」をモットーに、新たない草の可能性を追求する石橋さんの挑戦を追う。

インスタイル株式会社
代表取締役 石橋直樹さん
住所 福岡県大川市小保107-1
TEL 0944-32-9920
https://in-style.jp/

 

いぐさブティック草
福岡県大川市中木室23-1
TEL 0944-87-7432
https://igusa.shop/

取材後記

掛川織の敷物を見た時、懐かしい記憶がよみがえりました。そうそう子供の頃、夏場こんなゴザで昼寝したわ。い草の香り、風鈴の音、みんなで食べたスイカの味……。い草ってなぜか懐かしい。

 

しかしながら、取材のきっかけ自体は町中で見かけたカラフルない草のインソールでした。この手があったか!というインパクトと楽しさに満ちたい草の小物たち。機能性もばっちり。そんな商品を楽しげに世に送り出しながら、石橋さんはい草の未来に人一倍危機感を抱いていました。逆に、危機感がこれらの商品を生み出したと言ってもいいかもしれません。

 

取材時期が暑さ厳しくなるころに重なり、ついつい誘われるように私もインソールやラグなどを買ってしまいましたが、軽やかなデザインに機能性を備えた新しいスタイルのい草製品は、懐かしさに加え、どこか新鮮な清涼感を暮らしに添えてくれました。

 

とは言えい草、断熱性も高く実は冬もイケる素材だとか。やはりい草、最高ですね、石橋さん!

 

(RKB毎日放送 里山千恵美)

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