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『一期一会の技法!温泉染で文化をつくる』

温泉の源泉数&湧出量ともに日本一の大分県。中でも泉質などの特徴が異なる8か所の温泉郷(別府八湯)がある別府市は、市内の至る所から源泉も泉質も違う温泉が湧いており世界有数の温泉地と言われている。

 

東京都出身で全国を旅しながらその土地ならではの素材で服を作ってきた行橋智彦さん(37)。約10年前に別府市に移住して温泉を布などの染色に使用する「温泉染」の作品制作や商品開発をしている。

 

温泉の成分が染料を繊維に定着させる「天然の媒染剤」の役割を果たすのだが、使用する温泉(源泉)が違うと成分が異なるため同じ染料でも色の染まり方が変わる。そんな温泉染に魅力を感じて研究を重ねた行橋さんの成果は、その温泉地ならではの色を感じることができる作品として注目され、県内の老舗旅館やリゾートホテルなどで展示・採用された。

 

さらには、大分県からの依頼で実施した大阪・関西万博での温泉染体験も盛況を博した。行橋さんが自身の興味だけで続けてきたという温泉染は10年の歳月を経て多くの人を魅了するようになった。行橋さんは、新商品の開発やワークショップなどを続け温泉染が地域に根付いた文化となることを目指している。

団体名:温泉染研究所
代 表:行橋 智彦さん
住 所:〒874-0041 大分県別府市鉄輪321-1
(地獄温泉ミュージアム2F ※この場所は2026/5/31(日)まで予定)
電 話:0977-84-7858
ホームページ:https://jigoku-museum.com/

取材後記

源泉の場所が少し違うだけで色の出方が変わり、同じ源泉でも日によって色が変わる「温泉染」。私は、この「一期一会の色との出会い」こそ温泉染の一番の魅力だと思いタイトルにもつけさせてもらいました。

 

別府に行って疲れを癒してくれた温泉。その温泉で染めたストールや衣服を買って帰れたら、旅の思い出として最高のアイテムだと思いませんか?そのストールをまとったら、きっと別府の温泉で癒される感覚になると思います。

 

しかも、別府に限らずどこの温泉でも染めることは出来るので日本全国、そして、世界中に温泉染のお土産が誕生するなんてこともあるかもしれません。取材を通じて、温泉染のいちファンになった私は、行橋さんの商品開発や作品発表など、今後の展開が楽しみになりました。

 

源泉の違いによる色の差を実際に比べながら、是非皆さんにも温泉染にはその色に染まるストーリー(理由)があることを知って作品を手に取り色を楽しんでいただきたいです。

 (OBS大分放送/ 伊東 武紀)

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