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【特集】避難のウクライナ人福岡の「いちご農園」に就職-3歳娘の手を引き1万キロ

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ロシアによるウクライナ侵攻から2か月。日本に避難してきた人のその後の生活が課題となっている。JNNは先月、3歳になる娘と福岡県に避難してきたウクライナ人の母親が健康保険と就労資格を得るための手続きに密着した。この母親が福岡の特産品あまおうを栽培する「いちご農園」で働き始めた。
ウクライナから先月姉が暮らす田川市に避難してきたエカテリーナ・チャプリンシカさん。25日、介護福祉サービス事業を展開する田川市の社会福祉法人「暖家の丘(だんけのおか)」に入社し、新たな生活をスタートさせた。
「故郷の街にいるかのように本格的な生活ができることにほっとしている」(エカテリーナさん)
「エカテリーナさんが働くのは福岡名物あまおうの農園です」(RKB今林隆史)
社会福祉法人の農業部門で主にイチゴの栽培に携わることになったのだ。25日からあまおうの収穫作業に取りかかった。


「とても楽しかったです。今後仕事は大変になると思うけどやっていけると思います」(エカテリーナさん)



田川市で暮らす姉夫婦の自宅に身を寄せていたが、当面の住まいが市営住宅に決まった。在留資格は入国した時の「短期滞在」から「特定活動」に切り替わり、就労や健康保険への加入もできるようになった。初めて来た日本。日本語もまったく分からないまま過ごした1か月。そして異国の地で就労。収穫したばかりのイチゴを頬張ると自然と笑みがこぼれた。
「デリシャス」(エカテリーナさん)
田川に呼んだ姉(写真右)は「ずっと家にいるとウクライナのニュースに触れざるを得ないので、働くことで気分転換になるのではないか」と話す。
一緒に避難してきた3歳の娘・アナスタシアちゃん。取材陣と先月初めて会った際は、母親の腕に抱かれ口数も少なかった。この日は砂場で遊んでいた。その声と表情はずっと明るい。
「わーお!」(3歳の娘・アナスタシアちゃん)



いちご農園で働き始めた母親と同じように、アナスタシアちゃんもまた新生活もスタートさせていた。職場に併設された保育園に入園し、早速友達ができたようだ。
「戦争の惨劇を毎日テレビで見ていて、できる範囲で支えたいというのが一番基本ですね」(社会福祉法人猪位金福祉会・佐々木陽子理事長)



夫と両親が留まるウクライナ西部の街は一時期に比べて落ち着いてきているものの、まだ帰られる状況ではないという。戦火が長引く中、避難してきた人たちを長期的にどう受け入れていくのか。態勢の整備がより重要になってきている。

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