医療機関と同じく対応に追われる高齢者施設では、感染すると重症化するリスクが高いだけにスタッフの緊張がさらに高まっています。一方でスタッフの勤務体制も大きな課題となっています。シリーズ「現場の声」です。
陽性者が出た!その時スタッフは
北九州市八幡西区にある高齢者施設です。
理事長「おはようございます、何か変わったことはないですか」 職員「下痢とかですね」 理事長「2名ですよね、どんな様子ですか?」 職員「2名とも落ち着いています」
新型コロナに感染した利用者の容体をスタッフが朝会で報告しています。
もやい聖友会・権頭喜美惠理事長「ズームで各部署をつないである。今回は陽性者の方がいるのでこういう体勢」この施設には100人以上の高齢者が入居しています。新型コロナが流行してから2年以上に渡り、感染者は出ていませんでしたが今月中旬、初めて80代と90代の2人が陽性と分かりました。
職員「接触者なんですけれど今回はどういう・・・」 理事長「濃厚接触ってこと?」 職員「いや接触なんですよ」 理事長「確認したほうがいいかな。直接電話して。接触というのがどういう意味か」
高齢者施設で感染者が出た場合、北九州市に容体を報告し、接触者のリストを提出しなければなりません。
感染した入居者の介護はこれまで通り行います。医師の指導の下、感染者がいるエリアといないエリアを分けました。
職員「陽性者の発生報告と接触者の提出の件でお伺いしたいことがありまして」スタッフにとっては今回が初めてのケースとあって、分からないことも少なくありません。
感染した入居者の介護はこれまで通り行います。医師の指導の下、感染者がいるエリアといないエリアを分けました。
暑い防護服、スタッフがひっ迫
権頭喜美恵理事長「右と左がレッドゾーンになっていまして左が入口、右が出口と分けています」感染者がいるレッドゾーンに入る際、スタッフは必ず防護服を着用します。
理事長「病院と一緒ですよね、感染してはいけないので。暑いでしょ?」 職員「本当に暑いです」 理事長「中で飲食できないからね」

今、大きな問題となっているのがスタッフの勤務体制です。新型コロナの感染者が過去最多を更新し続けるなか、日に日に厳しい状況となっています。
理事長「シフトで人員配置は決まっているから、職員や家族が熱が出たとか自分自身が風邪症状があると出勤できないので、シフトを変えたりとかやりくりは大変です」施設で働く60歳以下のスタッフはほとんどが4回目接種を受けていません。高齢者は感染すると重症化するリスクが高いだけにスタッフの緊張はさらに高まっています。
4回目のワクチン対象拡大へ
政府は現在60歳以上と基礎疾患のある人などに行っている4回目接種の対象範囲を医療従事者と高齢者施設のスタッフにも拡大する方針です。
取材した高齢者施設は、今月22日の厚生労働省の審議会で了承されれば速やかに必要な手続きを進めるということです。
取材した高齢者施設は、今月22日の厚生労働省の審議会で了承されれば速やかに必要な手続きを進めるということです。
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