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「これこそ私が求めていたもの」大女優の言葉が画家ミュシャの運命を変えた

福岡市美術館では19世紀末のヨーロッパで一世を風靡した画家、アルフォンス・ミュシャの展覧会が開かれています。ミュシャの運命を変えた作品を紹介します。


◆代表作の一つ「ジスモンダ」
花の髪飾りを付け、豪華な刺繍が入った衣装を身にまとった女性。フランスで活躍した舞台女優、サラ・ベルナールです。1894年にミュシャが描いた演劇のポスター《ジスモンダ》。この作品が生まれたのは、大女優ベルナールからの急な仕事の依頼がきっかけでした

ミュシャ展コーディネーター ヴァレンティン・ズウィニョウスキーさん「サラ・ベルナールは別の画家にもポスター制作を頼んだんだけれど、納得がいかず他の人を望んだ。パリにいた若いミュシャに『明日までに新しいポスターを作ってほしい』と頼んだんです。作品を見た時に『これこそが私が求めていたものだ』と」


◆成就しない愛「椿姫」
ベルナールはミュシャと6年の契約を結び、数々のポスターを制作しました。その一つが、《椿姫》です。娼婦と青年の悲恋の物語で、中心には大きな椿の花と、白い衣装を身にまとった美しいヒロインが描かれています。しかし、周りにはいばらに絡まれた心臓が描かれ、成就しない愛が表現されています。大女優との偶然の出会いがきっかけとなり、ミュシャの名は一気に世界に広まりました。


◆福岡市美術館で開かれている「ミュシャ展」
「ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者」は福岡市美術館で開かれています(6月4日まで、月曜休館)。

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