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パン激戦区としても知られる福岡。中でも有名店が立ち並ぶ薬院でひときわ存在感を放つのが「The ROOTS neighborhood bakery(ザ・ルーツ・ネイバーフッド・ベーカリー)」です。
私がこの店を知ったのは、あるカメラマンさんに「僕的に、福岡で一番うまいパン屋です!マジで行くべきです!」とショップカードをもらったことがきっかけでした。何も関係ない人がなぜこんなにごっそりショップカードを持ち歩いているんだろう…と半信半疑で行ってみたのですが、彼が回し者でないことはすぐにわかりました。小麦の風味がぶわ~っと広がって、どのパンもめちゃくちゃ美味しい!一瞬にして大好きなパン屋になったのでした。
そんな「ザ・ルーツ」が2022年秋リニューアル。お店づくりにかける思いから最新の人気パンランキングまで、オーナーシェフの三浦寛史さんにお話を聞きました。
私がこの店を知ったのは、あるカメラマンさんに「僕的に、福岡で一番うまいパン屋です!マジで行くべきです!」とショップカードをもらったことがきっかけでした。何も関係ない人がなぜこんなにごっそりショップカードを持ち歩いているんだろう…と半信半疑で行ってみたのですが、彼が回し者でないことはすぐにわかりました。小麦の風味がぶわ~っと広がって、どのパンもめちゃくちゃ美味しい!一瞬にして大好きなパン屋になったのでした。
そんな「ザ・ルーツ」が2022年秋リニューアル。お店づくりにかける思いから最新の人気パンランキングまで、オーナーシェフの三浦寛史さんにお話を聞きました。
地元に根ざしたパン屋になりたい
2016年11月にオープンした「ザ・ルーツ」は、実は居抜きでのスタート。自分の思い描く世界観をもっと表現したいと、6周年を目前にした今年9月、満を持してリニューアルに踏み切りました。
オーナーの三浦さんは岡山出身。大阪や神戸の有名店で修行を積み、奥さまのご実家がある福岡に店舗を構えました。店名の由来は、ゆかりのない土地でしっかり根を張り、隣人のように親しんでもらいたいという思いから。
店内は売り場をあえて縮小。開放的な作業スペースを確保することで、お客さまとのコミュニケーションが取りやすいように改装しました。
オーナーの三浦寛史さん
「少し狭くなっちゃったので、お待たせする時間が増えて申し訳ないんですけど…。前はずっと奥で作業していたので、“ザ・製造業”みたいな感じで嫌だったんですよ。“ネイバーフッド”とか言っている自分が、奥にこもっているなんて変でしょ?」と笑います。
リニューアル後も火曜はベーグルデー
「ザ・ルーツ」の特徴といえば、週に1度の「ベーグルデー」。毎週火曜は数十種類のベーグルが主役となって店内を埋めつくします。以前神戸に住んでいた三浦さんは、街や人の雰囲気が似ているのに、福岡には圧倒的にベーグル屋の数が少ないことに疑問を抱きます。そこでベーグルデーを始めてみたところ、予想通り大好評。今ではすっかりお店のキラーコンテンツとして定着しました。
どのベーグルにもパン職人ならではのエッセンスが効いていて、天然酵母を使うなど風味や食べやすさにもこだわっています。その他、木曜にはベニエ(フランス生まれの揚げパン)のバリエーションを増やすなど、曜日ごとのプチイベントも随時行っています。
どのベーグルにもパン職人ならではのエッセンスが効いていて、天然酵母を使うなど風味や食べやすさにもこだわっています。その他、木曜にはベニエ(フランス生まれの揚げパン)のバリエーションを増やすなど、曜日ごとのプチイベントも随時行っています。
最新の人気パンランキングTOP5
個性豊かな「ザ・ルーツ」のパンたち。最新の人気パンランキングを三浦さんに教えてもらいました。
第1位 ツナパハさんのスリランカカリー(410円)
みんな大好き「ツナパハ」とのコラボパンが堂々の1位。ツナパハ自慢のレンズ豆カリー(日によってはリンゴカリーになることも)とチキンカリーのあいがけを、もっちり食感のチャバタでサンドしています。マイルドながらスパイスの効いたスリランカカリーは奥深く、ターメリック香るふわもちパンと相性抜群。美味しすぎて何個でも食べられます。危険。
第2位 コキーユ(栗のパイ)(345円)
フランス語で“貝殻”を意味するデニッシュ、コキーユが2位にランクイン。繊細な層はサックサクで、これでもかというほどバターが香ります。中には栗がまるごと入っていて、甘く濃厚ながら、パイが軽いのでペロリといけちゃいます。栗パイ界で一番美味しいかも…。栗が苦手な人にも食べてほしい一品です。
第3位 ビーノ(302円)
3位は枝豆とチーズを使ったおつまみパン。個人的に一番よく買うパンでもあります。枝豆のほっくりした甘味とチーズのコクもさることながら、とにかく“塩”が美味しい。パンチのある味わいとカリカリの生地が相まって、もうビールが止まりません。
第4位 ピスタチオクリーム×木苺ジャム×ピスタチオカスタード(378円)
ピスタチオのグリーンが目をひくクロワッサンが4位に。バターたっぷりの生地は、外はさっくり、中はしっとりと焼き上げられています。これだけでもじゅうぶん美味しいはずなのに、さらに中にはフランボワーズの爽やかなジャムとピスタチオの濃厚なクリームがたっぷり。甘味と酸味のバランスが絶妙です。
第5位 オリーブペーストと豚トロソーセージ(432円)
5位はボリューム満点のソーセージパン。ジューシーな豚トロのソーセージに、ブラックオリーブとアンチョビの風味がアクセントになっています。ハードなパン生地はカリッ、もちっとしていて、食べ応え◎。パンチのある組み合わせながら繊細な味わいに仕上がっています。これは赤ワインかな~。
番外編!三浦さんの個人的オススメパン2選
自由な発想で次々に美味しいパンを生み出す三浦さん。最初から完璧に作り込むことはあえてせず、お客さまの反応を見ながらブラッシュアップしていくことも多いと言います。「1ヶ月後にはまるっきり違う形になっていることもありますよ(笑)。でもその方がもっと美味しくなるかもしれないし、パンが成長していく過程を見るのが好きなんです」とのこと。そんな三浦さんの個人的な“推しパン”も聞いてみました。
1. 塩バター大納言(280円)
有塩バターと大粒の小豆、さらに上から“追い塩”を振りかけた甘じょっぱいパン。噛みしめるほどに旨味が広がり、たっぷり入った甘い小豆はフルーティーさを感じるほど上品。「ぜひ日本酒と食べてほしいですね」と三浦さん。
2. はちみつナッツ(345円)
「パンじゃなくてナッツ」と三浦さんが言い切るこちらは、くるみ・カシューナッツ・ヘーゼルナッツ・アーモンドを蜂蜜と合わせ、生地にたっぷり練り込んでいます。蜂蜜のほのかな甘味とナッツのカリカリ食感がたまりません。
6周年を迎え、さらに魅力が増した「ザ・ルーツ」。お目当てのパンがあってもなくても、きっとお気に入りの一品に出会えますよ。美味しいパンと一緒に、三浦さんとの会話も楽しんでみてください。
いつの間にか、あなたもショップカードを配り歩いているかも?
The ROOTS neighborhood bakery
■住所:福岡市中央区薬院4-18-7 [MAP] ■電話:092-526-0150
■営業時間:9:00~19:00
■定休日:月曜
■Instagram:@therootsbakery
■住所:福岡市中央区薬院4-18-7 [MAP] ■電話:092-526-0150
■営業時間:9:00~19:00
■定休日:月曜
■Instagram:@therootsbakery
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この記事を書いたひと
片桐絵都
ベルリンなどの若手デザイナーのクリエイションを日本に紹介するショールームにてセールスを経験した後、ライター活動を開始。2018年よりフリーランスとして、ファッション、フード、カルチャーなど幅広い媒体でライティングを行う。