高砂の路地を歩いていると、道沿いにポツンと赤く光る看板がある。“餃子”という文字と矢印だけで店名などはない。矢印の方向に進み、マンションの奥まで来ると、店の外観は意外にも洒落た感じで、入り口の重厚な木の扉を開けると、思ったよりも広い空間が目の前に現れた。初めて訪問する人は、あの怪しい看板から想像する店とはかなり印象が違うはずだ。
「約3年ぶりですね。すっかりご無沙汰してすみません。」
「忘れ去られていなかったことが、めちゃくちゃ嬉しいです。」
と店主の林 加津馬さん。
ここ「高砂游心」は、住吉にある人気餃子店「博多餃子 游心」の2号店として2006年にオープンした。林さんは大学時代から「游心」でアルバイトをしており、大学卒業後もそのまま「游心」で働き、28歳の時にはオープンしたばかりの2号店の店長を任されるまでになった。そして2号店がオープンして6年ほど経ったころに「游心」の大将から「2号店を自分の店としてやってみるか」と打診があり、独立することになったそうだ。
林さんは、かねてから「游心」の大将にずっとついていくと決めていたので、暖簾分けの打診を受けたときはかなり戸惑ったらしい。だが、自分の店としてやってみて、大変なこともいろいろあったが、結果的には良かったので、「游心」の大将には本当に感謝しているとのこと。
独立してからは奥様も一緒に働くようになり、2019年に私が本を出版した時には、取材でお世話になった。林さんご夫妻は、お客にあまり話しかけたりせず、控えめな感じだが、お客にとって居心地の良い空間になるよう、目配り、気配りを心がけているとのこと。やっぱり人気店の見えない努力はさすがだと感服する。
メニューは「博多餃子 游心」と半分くらいは違うらしい。特に各メニューにハーフサイズがあるのが特徴で、いろいろな料理を少しずつ食べられるのは嬉しい。
まずは「博多餃子(1人前7個)」(450円)を注文するのだが、1人で2~3人前はペロっと食べられるので、2人なら4~5人前がオススメ。餃子が熱々の鉄鍋で運ばれてきた時はテンションがあがること間違いなし。ジューという音がしているうちに動画撮影せんといかんよ。
ここの餃子は一口サイズで、外はパリッと、中はモチッとしている。餡にはキャベツ、ニラ、玉ねぎと鹿児島県産の黒豚のもも肉と背脂が入っているので、独特のモチッと感とジューシーさが味わえる。
餃子と一緒にビールを飲むとたまらん! めちゃめちゃ合うよ。
餃子が焼きあがるまでにちょっと時間があるので、豚のコブクロを使ったコリコリの「酢もつ」(550円※写真350円のハーフサイズ)や、すりおろした胡麻と甘めの醤油ダレでいただく「天然ゴマサバ」(1,300円~)をつまむと最高。
人気の「ホルモン焼」(1,100円※写真は650円のハーフサイズ)も外せない。今回は林さんオススメのみそ味にしてみたが、熱々の鉄板で提供される、たっぷりの野菜と味がしっかりついている和牛ホルモンは、酒がすすみすぎるよ。
途中で、納豆、オクラ、山芋に塩辛も入った「ねばねば三昧」(450円)で箸休めをして、シメはしっかり味がついていて、ふわっとした「焼きめし」(700円)のハーフサイズ(400円)をいただいて大満足。
林さんいわく、この店は常連客が多いので、その常連客を大切にしながら今の形態を続けていきたいそうだ。
こういう店はずっと残ってほしい。
ジャンル:餃子
住所:福岡市中央区高砂1-17-27 ジュネスtomachi 1F 駐車場奥
電話番号:092-522-2181
営業時間:17:00~0:00
定休日:不定休
席数:カウンター8席、テーブル20席
個室:なし
メニュー:博多餃子(1人前7個)450円、酢もつ550円(ハーフサイズ350円)、天然ゴマサバ1,300円~、ホルモン焼1,100円(ハーフサイズ650円)、ねばねば三昧450円、焼きめし700円(ハーフサイズ400円)、塩もつ鍋1350円、生ビール500円、芋焼酎450円~、日本酒550円~、グラスワイン600円
URL:https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40006718/
この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう