【SDGsおじさん】初めてのマイバック

【SDGsおじさん】初めてのマイバック

2020年7月1日から、全国の小売店でのプラスチック製買い物袋=レジ袋が有料化されました。これは賛否ありますが、僕はとても良い判断だったと思っています。その1年ほど前、僕はマイボトルに続き、マイバッグの利用を始めていました。すると、今考えてもこっぱずかしい失態を犯したのです。

コンビニでマイバッグを使うことで、どんなことが起きたのか。使ってみて分かったのは、お会計から商品を持ち帰るまでの中で、店員さんと客の作業量のバランスがおかしい!ということです。

まず、客はレジに商品を持っていきます。すると店員さんはバーコードを読み取ります。そして「867円です」などと金額を伝えます。その後の動きに変化が現れたのです。金額を聞いた客はお金を財布から用意します。客が財布をゴソゴソとしている間に店員さんは、これまでであればレジ袋に商品を入れてくれていたのですが、マイバッグを使うと客が商品を自分で入れることになるため、店員さんは「待ち」の状態になるのです。

わずか数秒とはいえ、その「間」が嫌だったので、慌ててお金を用意して支払い、しかも自分の後ろに他の客が列を作っているという焦りも相まって、バタバタとマイバッグに商品を入れて持ち帰りました。なんとも慌ただしい「マイバッグデビュー戦」でした。

そして2日目。前日の自分の動きに改善点を見出し、コンビニでの買い物に挑みました。前日は、商品をマイバッグに入れるタイミングが悪かったんだと思った僕は、店員さんがバーコードを読み込んだ商品を端から次々にマイバッグに入れていったのです。昨日と同様に自分の後ろには列ができていました。とにかく急いで商品をバッグに入れることに全力を注ぎました。

そして、3、4個の商品全てをバッグに入れた僕は、これまた急いで店を出ました。「今日はうまく立ち回れたかな」とほっとしていた僕を店員さんが追いかけてきて一言「お金を…」。そうなんです。バッグに商品を入れることに夢中になりすぎて、お金を支払うことを忘れていたのです。

その頃はまだ、レジ袋が有料化されていなかったので、マイバッグを使ってる僕は「イキってる奴」という周囲からのプレッシャーも勝手に感じていたこともあり、「マイバッグをイキって使ってるのに、使いこなせてないじゃん!」という周囲からの視線があったのかなかったのかわかりませんが赤面してしまいました。

しばらくして、その時の自分を客観的に考えると、笑えてきました。こういう事ですら僕は楽しいと思っています。環境問題の解決は取り組もうとすると不便で面倒だし、我慢が必要でついつい辛くなるのですが、楽しむ心が大切だと実感した出来事でもありました。

「全プラスチック製品の中で、レジ袋が占める割合は約2%」「ごみの総量から見てもごくわずか」という理由から、レジ袋有料化の政策を意味がないという人はたくさんいます。しかし、社会を環境問題解決に向けて前進させることを考えると影響は大きいと思います。

いま、スーパーなどに買い物に行くと、ほぼ全員と言っていいほどマイバックを持参しています。これは大きな意識の変化「ニューノーマル」が誕生した証拠ではないでしょうか。7月1日を境にあっさりとこれまでの生活から一変したのです。

それでもなお、レジ袋有料化のアンチはいます。そんな方々に言いたいです。環境負荷が高いとされている電力などのエネルギー問題を今すぐ大きく自然エネルギーへ転換できるのでしょうか?きっとできません。エネルギー問題解決へ向けて、まずはレジ袋の有料化で起こる市民の「意識の変化」が大切ではないでしょうか。最近「レジ袋有料化廃止」などの声も聞こえてきますが、僕自身としては続けてもらいたいと考えています。

ここで、またまた論調をひっくり返して申し訳ないのですが、マイバッグ利用者が増えたことで万引きも増えたという声もあります。マイバッグに商品を入れてそのまま持ち帰るのだそうです。また、レジでの袋の利用者は減った一方で、取って付きのポリ袋の購入者が増えているそうです。

さらに、マイバッグの生産増加で製造過程におけるCO2の問題なども取り上げられています。本当にその問題が大きいのであれば、僕は有料化をやめてもいいと思います。失敗だったらすぐ改善して次へ進む。とにかく今は、環境問題解決に向けて歩みを止めないこと。それが一番大切だと思います。


SDGsおじさん 松井聡史/RKBテレビ制作部ディレクター

【現在】カメラやパソコンよりも土を触ってる時間の方が圧倒的に長いRKB農園部(自称)。最近の仕事は、生ごみのコンポスト、畑の水やり、除草作業、野菜の販売、そして時々、番組企画書の作成。RKBラジオよなおし堂ではレギュラーでコーナーを持ち、SDGsを発信している。

【経歴】東京で約10年間、映画監督大根仁監督(「モテキ」など)に師事し、監督としてのスキルではなく、「変わったことをしたがり」な性格だけを学ぶ。2018年、地元福岡でRKBミューズに入社。同年「柴咲コウのサステイナブルな旅」を担当し、一気に環境脳となり、今に至る。

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