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赤いダイヤ”が島を救う!

長崎市には“トマトの島”といわれる離島がある。高島は、かつて炭鉱の島として栄え “黒いダイヤ”、石炭を産出していた。最盛期には2万人が暮らしていたが、現在の人口は395人だ。30年前の閉山後、雇用対策としてトマトの栽培を始めた。

その後、11年前に事業を引き継いだのが、なんと海運会社。しかし、初年度から大赤字。 会社側は「がく然とした、もう止めよう」とするが、従業員の熱意に動かされた。 たかしま農園の所長は溝江弘さん(61)。「いいものを作る自信がある、やらせて欲しい」と訴え継続が決まった。ただ、問題は、離島のためコストがかかり大量生産に向かないこと。それを、克服するために選んだのが、栽培が難しいと言われる品種“ファースト”。 この品種の良さは、糖度が高く、希少性があり商品価値が高いこと。これに賭けた。 港に近い2haの土地に43棟のハウス。収穫の時期は年間4か月。収量は年間約60トン。一般のトマトの糖度が4から5度なのに対し、高島のトマトは10度以上と2倍。価格は1個500円以上する。高級フルーツ店や大手デパート、料亭、レストランにも卸している。

ブランド化を進めるため、ネーミングやパッケージも工夫した。取引先も増えてきた。全国から注文が殺到する。ようやく黒字化の見通しもついた。高島のオンリーワン、“赤いダイヤ”の成長物語。
<取材先データ>
会社名:たかしま農園
担当者:事業部長 木下静幸
住所:長崎市高島町2707
電話番号:095‐896‐2296
HP: http://www.takashima-nouen.com/
会社名:崎永海運
住所:長崎市浪の平町4‐11
電話番号:095‐825‐8343 http://www.sakinaga.co.jp/
会社名:ゆめタウン久留米
住所:福岡県久留米市新合川1‐2‐1

会社名:久原本家 茅乃舎
住所:福岡県粕屋郡久山町大字猪野字櫛屋395‐1
電話番号:092‐976‐2112 http://www.kayanoya.com/
その他:
HPからのお取り寄せは、5月の末までの予定。しかし、今年は天候不順で収穫量が全体的に少ないようで、早めに終了しているかもしれません。その際はご容赦ください。また、各地のスーパーやレストランなどに卸している場合も同様です。

■参考価格(たかしま農園HPより・各税込価格)
◎1㎏の箱は9個入り
(参考:品種やその年によって個数は変わります)
『ハートの女王』*糖度10度以上  2㎏ 9720円  1㎏ 4860円
『情熱ハート』*糖度9度以上   2㎏ 5400円  1㎏ 2700円
『純情ハート』*糖度7度以上   2㎏ 4320円  1㎏ 2160円
『五月の初恋』*糖度は10度前後・小玉  600g 1728円

取材後記

普通のトマトが食べられなくなりました。取材でインタビューした人たちが言っていたことが、自分の身にも起きました。恐るべし、高島トマト!

糖度が高ければいい、というのではなく、酸味と甘みが程よく溶け合ってコクのある味わいです。これは、トマトを焼いて食べてみると、さらに、舌でよく理解できます。たかしま農園の溝江所長が大のお気に入りの一品です。

ただ残念ながら、今年の収穫は5月末でほぼ終わりです。来年の1月頃まで待つしかありません。顧客の一人としては、待つ楽しみが一つ増えました。

高島トマトは、実は、高島の島民が一番多く購入しています。自分たちで食べるのではなく、すべて誰かに送っている“贈答”用です。トマトは、島民の誇りなのです(もうひとつ、ヒラメの養殖も有名なのですが)。そのお蔭で、全国にファンが増えているのです。

高島のトマトは、作っても作っても注文に追い付きません。結局、栽培時期が終わってしまい、あきらめた個人やスーパーもあります。しかし、収量を確保しようとして、すぐに人や栽培面積を増やすことはしないそうです。北川社長によれば、身の丈に合った速度で体力をつけ、徐々に大きくしていきたい、ということです。 品質を落とさないように、焦らず長く続ける。“継続は力”です。
担当:NBC長崎放送 中原 暎二

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