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サーフィン革命!?“桐”で世界の波に乗れ!

ビジネス
2020年の東京五輪から追加種目となり、注目を集めている“サーフィン”。 南北に長い海岸線を有する宮崎県には、日本屈指のサーフスポットが点在し、国内外から多くのサーファーが訪れる。そんな中、県内在住のサーファーが、画期的なサーフボードを生み出した。その名も「キリフレックス」。

一般的なサーフボードには、中心部分に「ストリンガー」という木材などの補強材が入れられており、通常、ベニヤ合板などが用いられる。その材料に、タンスなどでお馴染みの“桐”を使うことで、一般的なボードに比べ、軽く、良くしなるボードが完成。スピード感が増し、技の幅が広がるという。
開発したのは、海から50キロも離れた霧島連山のふもと、小林市で製材業に携わる山元智博さん(42)。自身もシェイパーとして、製材所の傍らでサーフボードを製作している。製材業者のノウハウと、シェイパーとしての経験を生かし、作り上げたのが、桐のストリンガー「キリフレックス」だ。カット方法や材質にもこだわり、3年前には実用新案も取得。イベントへの出展など営業活動にも積極的だ。

宮崎生まれの「キリフレックス」が、いま、世界の波に乗ろうとしている。
取材先
ブランド名:MOANALOLO SURFBOARDS
(モアナロロ サーフボード)
取材対象者:山元 智博(やまもと ともひろ)
住所:宮崎県小林市堤2775番地
電話:080-5286-1331
HP(Facebook):https://www.facebook.com/kiriflex-771044042987760/(kiriflex) https://www.facebook.com/Moanalolo-Surfboards-1499044966975972/ (MOANALOLO SURFBOADS) その他:営業時間 午前9時~午後5時
定休日 日曜日・祝日 ※出張の際は休業

取材後記

「『世界一の九州』にぴったりのネタがあるよ!」と情報をくれたのは、カメラマンのM氏。自身もサーファーのMカメラマンによると、「サーフボードのストリンガーが桐なんだって!」とのこと・・・
ストリンガー?桐の木? サーフィンに詳しくない私にとって、最初はピンときませんでしたが、話を聞くうちに、「特許を取得」「製材所で開発」「桐を南九州産にこだわっている」などのキーワードが続々。商品名は「キリフレックス」。直接、話を聞かねば!ということで、海とは真逆の内陸部に向かいました。

開発者の山元さんが手がけるサーフボードブランド「モアナロロサーフボード」は、実家の製材所の傍らにあります。おじさんに連れて行ってもらったのをきっかけに高校生の時にサーフィンを始めたという山元さん。家業が製材業で、モノづくりは得意、ということもあり、サーフボードを削るシェイパーになったのは自然な流れでした。カット方法や産地にこだわるなど、情熱を傾ける山元さんですが、製材所の代表でもあるお母さんは、「サーフィンのこと全然わかりません!何しちょるかわからん」というのが本音だそう。とはいえ、息子が一生懸命、何かに没頭し、仕事につなげていることには、感心しているそうです。「キリフレックス」が生まれたきっかけは、山元さんの祖父の「桐が良い」の一言でしが。実は「モアナロロ」というブランド名も、祖母の言葉から取ったそうです。ハワイ語で、海=モアナ、バカ=ロロでモアナロロ。「またサーフィン?『海バカ』が!」と笑いながら言われていたそう。山元さんのキリフレックスへの情熱はもちろんですが、家族への想いも感じました。

宮崎には、木崎浜(宮崎市)、お倉ケ浜(日向市)、風田浜(日南市)など、多くのサーフスポットがあります。宮崎在住のプロサーファーも多く、五輪の強化選手も波に乗っています。九州のサーファーの活躍とともに、宮崎生まれのキリフレックスのボードが、世界の舞台で見られることを期待したいと思います。

担当:宮崎放送 高橋晋作

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