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日向備長炭に新たな息吹!炭焼き師の挑戦

宮崎県の北部、九州山地の中にある自然豊かな町、美郷町北郷宇納間(うなま)。
この宇納間の名産品が「日向備長炭」だ。高知の“土佐備長炭”と和歌山の“紀州備長炭”とともに日本三大備長炭に数えられている。

日向備長炭の炭焼き師、下川陽一郎さん(48)は元々福岡で飲食店を営んでいたが、調理の“熱源”として日向備長炭の魅力にふれ、2017年に地域おこし協力隊として美郷町に移住。

木材の伐採から製炭の腕をみがき、去年4月に株式会社グリーンノームを設立した。下川さんの炭作りの特徴は『数値化』。自然相手で難しい炭作りは、窯の中の温度調整や火を消すタイミングが職人の腕の見せ所、煙の色や臭いなど熟練の技が必要になる。

しかし下川さんは、窯の温度を細かく数値化することで安定した炭作りを可能にした。こうして作られた日向備長炭は、「緑仙白炭窯(りょくせんはくたんかま)」としてブランド化、県外の飲食店をメインに高い評価を得ている。

こうした実績から、日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援を受け、日向備長炭の海外輸出にも挑戦している。
日本の伝統を世界へ。炭作りの歴史に新たな息吹を吹き込もうとする下川さんの情熱を描く。
取材先:株式会社Green Gnome(グリーンノーム)
住所:〒889-0903 宮崎県東臼杵郡美郷町北郷黒木537
TEL&FAX:0982-62-5758
ホームページ:http://g-gnome.jp/

取材後記

和歌山の「紀州備長炭」、高知の「土佐備長炭」と並らび日本三大備長炭に数えられている日向備長炭。
世界に誇る日本の伝統工芸品が宮崎・美郷町の名産品とは、番組制作に関わるまで知らなかった。

今回の主人公の炭焼き師、下川陽一郎さん。元々は、福岡市で飲食店を経営していたが、調理の熱源として日向備長炭の魅力にふれ、美郷町に移住、製炭を学び、グリーンノームを設立した。

炭作りにかかる日数は、原木の伐採を含めると約2ヶ月要するとされている。機械化できない原木の伐採に季節相手の炭窯作業、職人の経験と技術が必要とされる炭作りに下川さんは、柔軟な発想と情熱で取り組んでいる。

その1つが自作の温度計を使った窯の温度の計測と記録。炭作りに成功した記録を分析、活用することで安定した製炭に結びつけていた。炭作りのクライマックスは、窯の中から炭をかき出す「窯出し」の作業。
深夜0時ごろに始まり、途中休憩をとりながら14時間に及んだ。
真っ暗な森の中で、赤々と光を放つ炭窯は、神々しさを感じさせるものだった。

自然が紡ぐ日向備長炭、これぞ九州が世界に誇る日本の伝統工芸。
これからも下川さんの挑戦に“心“を熱くされそうだ。

(MRT宮崎放送 /宇田津 義則)

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