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保守分裂? 福岡で複数選挙区「公認が得られなくても」「人物選択で」「理解に苦しむ」

早ければ秋にも、岸田総理が解散に踏み切るとの見方もあり、総選挙に向けた動きが加速しています。福岡県内では複数の選挙区で保守分裂となる可能性も出てきています。

「党で決まったことには従って」福岡県連会長

自民党福岡県連 原口剣生会長「地方議員が公認をいただきますよね、それと全然違うほうの方を応援されたり、いろんな行為が多々見受けられる。党で決まったことはそれに従ってやっていただかないといけない」

18日の会議で、党の決定に従うよう釘を刺した自民党福岡県連の原口会長。次の総選挙に向けた動きが活発となる中、福岡県内では複数の選挙区で「保守分裂」となる可能性が出てきました。

福岡4区「公認が得られなくても出馬」

吉松源昭県議「次期衆議院選挙に、自民党の公認として立候補したい」

粕屋郡選出で県議会議長も務めた、自民党の吉松源昭県議。次の衆院選で、宗像市や粕屋郡を選挙区とする福岡4区から出馬することを表明しました。福岡4区には、現在4期目の自民党の宮内秀樹衆議院議員がいます。吉松氏はたとえ公認が得られなくても出馬する意向を示しています。

吉松源昭県議「(宮内氏は)あまりにも地元のことがご理解されてない、ご存知じゃないというのはやはり問題。今回私が国民の皆様に信を問うのは、政権選択ではなく、人物選択を問うものであります」

11年越しの因縁「私の思いを堂々と伝える」

対する現職の宮内氏は、吉松氏の出馬表明についてこう話します。

福岡4区(自民・現) 宮内秀樹衆議院議員「誰でも被選挙権があるわけでありますから、それぞれの方々が『我こそは』と挑戦するということで、それについて私の思いを堂々と伝えることで有権者に選んでいただく」

両者の関係は、宮内氏が初当選した2012年の総選挙の前にさかのぼります。自民党の公認候補に吉松氏も名乗りを上げたものの、選ばれたのは宮内氏で、11年越しの因縁の戦いとなります。

福岡4区(自民・現) 宮内秀樹衆議院議員「引き続き現職として、次の選挙もしっかりと挑戦し、有権者の洗礼を浴びるように一生懸命頑張る。これだけですよね」

福岡5区で維新が擁立するのは元自民県議

一方、福岡5区でも保守分裂の動きがあります。統一地方選挙で躍進した日本維新の会が次の衆院選に擁立を決めたのは、自民党の元県議である松尾嘉三氏です。

日本維新の会 松尾嘉三・福岡5区支部長「日本維新の会の身を切る改革を元に、行財政改革を主体として、税制改革、福祉改革をもっともっと衆議院の目から、国から変えていきたい」

松尾氏は県議を3期12年務めましたが、4月の県議選で落選した直後、自民党を離党していました。

日本維新の会 福岡5区支部長 松尾嘉三氏「自民党にいたら言いづらいところも多々あったわけです。保守の理念の中でも改革をしていただける党ですので、より私の考えを理解していただける方たちが多いんじゃないか」

「理解に苦しむ」出馬準備進めている自民支部長

「維新と理念が一致した」という松尾氏に対し、次期衆院選に向けて出馬の準備を進める自民党の栗原渉氏は――。

自民党 栗原渉・福岡5区支部長「松尾さんには春日市の自民党支部の支部長と5区支部の幹事長もしていただいていました。維新から突然出られるということで理解に苦しんでいる状況ですね」

自民党の公認をめぐっては前回の衆院選で、原田義昭元環境大臣と、県連が推す栗原氏が対立。最終的に「現職優先」という党本部の決定に従って、栗原氏は出馬を断念しましたが、野党統一候補となった堤かなめ氏(立憲民主党)が初当選し、自民党は議席を失いました。

自民党 栗原渉・福岡5区支部長「自民党の議席、保守の奪還が極めて重要なことで、それを目指して選挙戦に臨んでいきます」

迎え撃つ現職の堤かなめ氏は――

福岡5区(立憲民主・現) 堤かなめ衆議院議員「(解散が)いつあってもいいように準備・心構えはしていきたいと思います。相手が誰であろうと、今まで1年半少し、自分の行ってきた活動が評価していただく、いい機会かなと思っております」

福岡9区では1年前に当選した参院議員が

一方、きょうから公募が始まった北九州市西部の福岡9区では――。

自民党・無所属の会 香月耕治代表「私たちが一番結束して推せる人材が、大家敏志さんであります」

1年前の選挙で当選したばかりの大家敏志参議院議員に、出馬を要請する自民党の市議たち。出馬要請の理由として内閣総理大臣を「北九州の地から誕生させたい」などと話しています。

大家敏志参議院議員「参議院議員という重たい立場を与えていただいております。昨年の選挙が終わって、まだ任期を残しているということ、それからいろんな声全てを総合的に判断して、しっかりとした結論を自分自身で出したいと思っている」

一本化に向けた調整は進むか?

自民党の福岡9区の支部長を選ぶ党員投票には、すでに三原朝利市議が立候補を表明しています。

三原朝利市議「自分のやれることをやって、とにかく立候補するということに関しては、何も変わりがない」

2023年に入り北九州市長選挙などで保守分裂の構図となり、推薦する候補が相次いで敗れている自民党。候補者の一本化に向けた調整は進むのか注目されます。

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