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あの“地球の歩き方”が初めて日本の「市」にフォーカス、カオスを紐解き「ねちっこく分厚くする」

世界各国や地域、都道府県を紹介する旅行ガイドブックの「地球の歩き方」が初めて日本の“市”に特化した一冊を制作することになった。出版社が選んだのは福岡県北部に位置する「北九州市」だ。横浜市出身の編集長は「いろいろなものが入り交じり“歩き方”と親和性が高い」と語る。随所に色濃く残る過去と未来。ある意味、混沌とした街並みはネタの宝庫だった―。


◆近未来?小倉駅にグッと来た編集長が「ねちっこく分厚くする」
地球の歩き方・宮田崇編集長(横浜市出身)「成人式、年に一回放送されますよね。あのイメージが相当浸透しているなと思いますが、実際にはふぐが美味しかったり昭和のノスタルジックな街並みが残っていたり。一方で近代的な建築があり、いろいろなものが入り交じっている。地球の歩き方の紙面をイメージしたときに親和性が非常に高いなと思いました。昔から根付いている市場や歴史的背景のある物件、地元に根付いたグルメもそうです。工場見学や工場の夜景、港の歩き方も含めて、ねちっこく分厚くします」

私たちは制作を前に北九州市を訪れた宮田編集長と合流した。編集長のお気に入りは「小倉駅」だという。

宮田編集長「少年時代に漫画でみた近未来の駅ってだいたいこんな感じだったじゃないですか。いろんなものが交差している。こんなにグッとくる駅はない。旅人旅行者はここを起点に旅を始めるので」

続いて訪ねたのは、市中心部にある魚町商店街。入り口に一際目を引く赤い看板のベーカリーがある。濃厚な甘さが売りの練乳フランスパンを出す店だ。次いで “北九州の台所”こと旦過市場へ。購入した酒を店内でそのまま飲む「角打ち」は「地球の歩き方北九州市」に掲載が決まっている。


宮田編集長「シロヤはいつも売り切れのイメージ。商店街に入って少ししか歩いていないのに載せたい店が3軒、あるでしょ。大丈夫?400ページあるからいいか。北九州はお店の人との距離がすごく近い。その土地の文化をきちんと守りつつ新しいものも失礼のないように紹介していきたい」


◆「地元の人が納得する一冊を」
「地球の歩き方北九州市」の出版は、自治体にとっても市の魅力をPRする絶好のチャンスだ。出版社との橋渡しを任されたのは、吉田結佳さん(千葉県出身)。情報発信のノウハウを持つ人材として東京のコンサルティング会社から派遣され、去年7月から市職員として働いている。西部の若松区が一番のお気に入りという吉田さんはこの日、クロワッサンが有名な「三日月屋」を訪ねた。

吉田さん「“三日月屋”は紅茶ときなこも好きです。福岡の方にお土産に持って行くと福岡市のもの?と言われ、知られていないのが衝撃でした。北九州は情報がとても多いんです。それが一元管理されていないというか集約されていないので、地球の歩き方を通じてしっかりと歴史文化の魅力を市のPRにつなげていく」

来年2月に全国一斉に販売が始まる「地球の歩き方北九州市」。地元の人にとっても北九州市の歴史や文化、グルメなどの魅力を再発見させてくれる一冊となりそうだ。

宮田編集長「北九州市の方々が手に取って納得いただける一冊、これが前提条件。よく調べているなとか、よく知っているじゃないかというところまで我々が掘り下げられればより魅力を伝えられます。全国に行く前に福岡市の人が手に取って、やるじゃないか北九州市と、ちょっと週末に行こうかとなればいいと思います」

北九州市版の表紙イラストは、地球の歩き方のSNSで募集するという。歩き方編集部が「市」の中で最初に目をつけた北九州市。新旧のあらゆる魅力が詰まった街は、紙面でどのように紐解かれるのだろうか。

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