独BMW“燃料電池車”を3~6年後に日本市場に投入へ~国内で走行実験が始まる
ドイツの自動車メーカー「BMW」が開発を進めるFCV=燃料電池車の走行実験が6日、国内で始った。脱炭素化に向けて様々なエネルギーの選択肢を模索するのが目的で、同社は3~6年後にFCVを日本市場に投入する方針。FCVは水素と酸素の化学反応から得た電力で走る車。
官公庁なども訪れてフィードバックを得る
日本国内の走行実験の第1弾には福岡市が選ばれた。BMWは「給食配送のFCVを導入するなどの取り組みをすすめているエリア」であることを理由にあげた。同社は6日以降、公道でiX5 Hydrogenを走らせて様々なデータを収集。官公庁や行政機関なども訪れて、製品に対するフィードバックを得る。また、試乗した人から乗り心地などのアンケートを回収して開発に活かす。
約3分で“水素充填”500キロ走行
FCVは、水素を燃料として二酸化炭素を排出しない。福岡市を走る実験車両は、水素ステーションにて最大6キロの水素を3分ほどで充填でき、約500キロ走行できる。EV(電気自動車)との比較では、充電に相当する“水素の充填”が数分で終わり、すぐに走り始められる一方で、肝心の水素ステーションが十分に整っていない課題がある。また、一般に、同等クラスのガソリン車やハイブリッド車と比べると価格が高い。
3~6年先に日本市場にFCV車を投入する方針
同グループは2011年よりトヨタとFCV燃料電池車の基礎研究を共同で行っている。2013年には初のEV車を投入した。FCV車の実験は「脱炭素化に向けて様々なエネルギーの選択肢を考える」ことが背景にあるという。2020年代後半にも、日本市場に燃料電池車を投入する方針。今後は神戸市でハイヤーサービスを展開するほか、大阪や札幌などでも走行試験を行うことにしている。
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