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「ワン!と鳴くカエル」の新種を発見 独自の進化とげ虫のように鳴くカエルを展示 福岡

本州から九州にかけて生息する「タゴガエル」 春になると、求愛のため犬のように「ワン」と鳴くのが特徴です。このタゴガエルの新種が見つかりました。福岡県北九州市の博物館で展示されています。

 

RKB 浅上旺太郎記者
「北九州市で開催されている『恋するいきもの展』 有明海などの干潟に生息するハクセンシオマネキは、大きなハサミをウェーブのように振って、メスにアピールしているということです」

 

 

福岡県北九州市の『いのちのたび博物館』で開催されている「恋するいきもの展」は、様々な生き物の繁殖行動をテーマにした特別展で、約300点の動物の剥製や虫の標本を見ることができます。今月1日から展示されているのが・・・

 

いのちのたび博物館 学芸員 江頭幸士郎さん
「こちらの、ゴトウタゴガエルです」

今年の夏に発見されたゴトウタゴガエル

 

「ゴトウタゴガエル」今年の夏、いのちのたび博物館と京都大学の共同研究で新種として発表されたカエルです。

 

「タゴガエル」は、本州から四国、九州にかけて広く分布するアカガエルの仲間です。今回見つかった「ゴトウタゴガエル」は長崎県の五島列島の一部にしか生息していない固有種です。

 

 

 

いのちのたび博物館 学芸員 江頭幸士郎さん
「普通のタゴガエルに比べると足が長く、足の水かきがよく発達しています。カエルは繁殖の時にオスがメスを鳴き声で呼ぶんですけど、その鳴き声が普通のタゴガエルとは違います」

鳴き声も公開している

 

タゴガエルは「ワン」と犬のように鳴くのが特徴です。一方、ゴトウタゴガエルは、虫のような鳴き声です。

生息地から見える地理の歴史

 

さらに興味深いのはその生息地です。江頭学芸員たちの調査によると、五島列島とその周辺では、ゴトウタゴガエルがいる島、タゴガエルがいる島、そしてどちらも確認されていない島が点在しています。九州と五島列島が氷河期に陸続きになり、その後、海面が上昇して分断されたことで、カエルが独自の進化を遂げたと考えられるということです。

 

江頭さん
「科学って進んでいるんだなということを実感してほしい。地理の歴史とそれに影響を受けた生物の歴史に思いをはせ、検証する材料になれば意義があるかなと思います」

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