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1メートル50センチの地中“水分量”から土砂崩れの「前兆」を検知、早期避難につなげるため住民にデータ公表

地中の水分量などから土砂災害の“前兆”を従来よりも早くとらえることができるセンサーを佐賀大学が開発しました。このセンサーで集めた情報は、来月から地域住民などに公表される予定です。

水分量を正確に計測できる小型センサーを土壌に埋没

佐賀県が佐賀大学などと連携して進めている実証実験は、地中のセンサーが水分量や空間、亀裂などを正確に計測し、土砂崩れなどの前兆を従来よりも早く捉えるというものです。佐賀県によると、気象庁などの出す「土砂災害警戒情報」は、土にしみこんだ水量の推定や直近1時間に降った雨の量などから行った計算に基づいています。一方、新しく開発されたシステムは、最大で1メートル50センチの深さの土壌に水分量を正確に計測できる小型センサーを埋没。カメラ付きの監視装置と併用することで、より高い精度で“前兆”を検知することができるとされています。県は、気象庁の注意や警戒の呼びかけを否定するものではなく、情報を補完できる新たな仕組みづくりを目指すと説明しています。

地域住民や学校に計測データを提供へ

佐賀県・山口祥義知事「異常気象で世界のみんなが困っている中で、佐賀からこういったシステムが開発され実用化されれば、画期的なシステムになると期待感でいっぱいになりました」

センサーで収集したデータは、来月から地域住民や学校に公表される予定です。佐賀大学の宮本英揮准教授は「将来的には、アプリなどを活用して住民に情報を届け、早めの避難行動につなげたい」と話しています。

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この記事を書いたひと

若松康志

1999年生まれ、鹿児島県出身