情報公開「請求者の名前」漏れたか 強要未遂の疑いで告訴された町長に 福岡
大任町の町長が組合長を務めるごみ処理施設を巡って、田川市に対して情報公開を求めた人の氏名が文書を公開する前に大任町長に漏れていたという疑惑があります。専門家は「情報公開制度を破壊する行為だ」と指摘しています。
目次
強要未遂で告訴 発端は1枚の「行政文書」
RKB 今林隆史記者
「田川市長が大任町長を告訴するきっかけとなったがこちらの文書。田川市役所からの情報漏えいが疑われる事態が起きています」
田川市の村上卓哉市長が、田川地区共同で建設中のごみ処理施設の組合から出ていくよう求められたなどとして、組合長を務める大任町の永原譲二町長を強要未遂の疑いで告訴した問題。発端となったのは、大任町の永原町長が情報公開請求のあった文書をそのまま開示しないよう求めたとされることです。
「情報公開請求」の事実 隣町の町長が知っていた
この文書は田川市の市議会議員が情報公開請求したものですが、市議が情報公開を請求していることを永原町長が把握していたことが発覚します。
大任町 永原譲二町長(音声データ)
「先日、●●課長が役場に来て、令和5年の3月1日に大任町から田川市あてに出した文書を情報開示、佐藤委員長(議員)から情報開示が出ましたということで、大任町が出した文書ですから開示してよろしいでしょうか。という話に来ました」
永原町長は、自らのものだと認めている音声データで、田川市の課長から「佐藤議員から情報開示が出た」との報告を受けたと言及しています。その後のRKBの取材には、課長から名前は聞いていないと主張し、議会で質問していることを根拠に「佐藤議員からだと断定した」と説明しました。
25日、記者が改めて尋ねると。
記者
「なぜ、『佐藤委員長』と明言されたんですか?」
永原譲二町長
「私は確信しているからです。あなたが私の立場なら確信できませんか?」
記者
「できないです」
音声データで永原町長から名指しされた田川市役所の課長は、市の調査に対し「情報開示請求者を漏らしていない」と回答しているということです。
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この記事を書いたひと
今林隆史
1976年生まれ 福岡市出身 政治・経済などのニュース取材に加え、ドキュメンタリー番組の制作にも携わる。第58次南極観測隊に同行。JNNソウル特派員として韓国の大統領選挙(2022)などを取材。気象予報士・潜水士の資格を有し、環境問題や防災、水中考古学などをライフワークとして取材する。 番組「黒い樹氷~自然からの警告~」で科学技術映像祭 内閣総理大臣賞(2009)、「甦る元寇の船~神風の正体に迫る~」同映像祭 文部科学大臣賞(2013)など受賞。