情報公開「請求者の名前」漏れたか 強要未遂の疑いで告訴された町長に 福岡
大任町の町長が組合長を務めるごみ処理施設を巡って、田川市に対して情報公開を求めた人の氏名が文書を公開する前に大任町長に漏れていたという疑惑があります。専門家は「情報公開制度を破壊する行為だ」と指摘しています。
目次
名前が漏れた議員は「気持ち悪い」
情報公開を請求したことが漏れたことに請求した市議は不安を感じています。
田川市議会 佐藤俊一議員
「やっぱり気持ち悪いです。気持ち悪いですね。情報公開制度というのは『もうできない』できないというふうに思われる市民が出てくるのが一番恐ろしいです」
識者は「市民が萎縮 制度の根幹ゆるがす」
情報公開制度を活用し行政をチェックしている市民団体は、請求者の情報漏えいは請求する市民が萎縮してしまう恐れもあり、制度の根幹を揺るがすと指摘します。
市民オンブズマン福岡 児嶋研二代表幹事
「請求者の名前を漏らすことは、情報公開条例とは関係なく、公務員の守秘義務違反ですから、行政と住民との信頼関係を打ち壊してしまう。今の制度自体を揺るがしていく、制度を破壊していくような最も許されないことだと思います」
市長「漏えいの有無、明らかにする」
この問題について、田川市の村上市長は「手法は検討中」としたうえで、情報漏えいがあったのかなかったのか「明らかにしなければいけない」との考えを示しています。
田川市 村上卓哉市長
「事実であれば重大な事案でございますので、何らかの方法で、漏えいが事実であったのか、そうでなかったのかは、はっきりさせなければいけないと考えています」
情報公開の請求者の名前が外部に漏えいしたとみられる事態がなぜ起きているのか。国民に開かれた行政の実現を図るために重要とされる情報公開を守るために、真相の究明が求められます。
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この記事を書いたひと
今林隆史
1976年生まれ 福岡市出身 政治・経済などのニュース取材に加え、ドキュメンタリー番組の制作にも携わる。第58次南極観測隊に同行。JNNソウル特派員として韓国の大統領選挙(2022)などを取材。気象予報士・潜水士の資格を有し、環境問題や防災、水中考古学などをライフワークとして取材する。 番組「黒い樹氷~自然からの警告~」で科学技術映像祭 内閣総理大臣賞(2009)、「甦る元寇の船~神風の正体に迫る~」同映像祭 文部科学大臣賞(2013)など受賞。