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「太宰府天満宮」「筥崎宮」「宮地嶽神社」の三社をまわる三社参りが有名な福岡の初詣ですが、これは主に九州・福岡と中国地方に伝わる風習です。2024年の初詣にむけて、改めて三社参りの由来と、加えて参拝したいおすすめの神社を紹介します。
三社参りとは?
三社参りとは、九州・福岡や中国地方に伝わる風習で名前の通り初詣に3つの神社をまわること。由来は「朝廷が伊勢神宮・石清水八幡宮・賀茂神社に参拝していたことから一般の人々の “三社参り”が始まった説。」や「先祖代々の氏神様・出生地の産土神様・現在住んでいる地域の鎮守神様の三柱の神様に挨拶をする意味で始まった説」など諸説あります。
お参りする神社の順番や期間も特にルールはありませんので、職場の近くや住んでいる場所、氏神様をお祀りする神社などを中心に3つの神社をまわったり、日にちを分けてまわったり、三が日を避けて神社をまわるなど、無理のない初詣で新しい1年を祈願しましょう。
124年ぶりの“令和の大改修”に伴う、特別な「仮殿」で参拝できる「太宰府天満宮」
全国天満宮の総本宮「太宰府天満宮」では、令和5年5月より約3年をかけ、124年ぶりに重要文化財「御本殿」の大改修を行っています。来る令和6年は、約3年間限定のこの仮殿で、初めてのお正月を迎えます。
毎年恒例の幸運みくじ(500円)や干支の縁起物などもあります。参拝だけでなく広い境内を散策したり、長い参道でお土産を見たり、梅が枝餅を食べたりと1日中楽しめる場所で、食事や休憩できる場所が多いのも特徴です。西鉄太宰府駅から降りてすぐですので、電車で行くことのできる神社です。大晦日(終夜)臨時電車もあるので西鉄電車のHPでご確認ください。
〇太宰府天満宮
住所:福岡県太宰府市宰府4-7-1
電話:092-922-8225
https://www.dazaifutenmangu.or.jp/
天神大牟田線 大晦日(終夜)臨時電車
https://www.nishitetsu.jp/train/newyear_train2/
神風で有名な勝運の神、応神天皇・神功皇后・玉依姫命を祀る日本三大八幡宮「筥崎宮」
筥崎宮といえば、宇佐、石清水両宮とともに日本三大八幡宮に数えられる神社で、博多三大祭りのひとつである放生会が有名ですが、お正月の三が日では約50万人の参拝者で賑わいます。また、勝運の神としても有名で、福岡ソフトバンクホークス(野球)やアビスパ福岡(サッカー)、ライジング福岡(バスケットボール)など各プロスポーツ団体が必勝祈願に訪れます。
1月3日には、全国に知られる祭(九州三大祭)である「玉せせり」が行われ勢い水を浴びながら陽の玉をめぐり激しい争奪戦を繰り広げる競り子達の迫力は一見の価値ありです。陸側と浜側に分かれた玉の争奪戦は、一年の吉凶を占う年占いの意味合いもあり、陸側が玉をあげれば豊作、浜側があげれば豊漁と云われているそうですよ。
地下鉄「筥崎宮前駅」と直結しており、年越し臨時列車の運行もあるのでこちらも電車で行ける神社のひとつです。また、正月限定の御朱印も予定されていますので、詳しくは筥崎宮のHPでご確認ください。
令和六年初詣
「参拝時間」
◎1月1日(月・祝)0:00~2日(火)9:00
◎1月3日(水)6:00~21:00
◎1月4日(木)以降 6:00~19:00
「御守・御札・縁起物等授与時間」
◎12月31日(日)8:30~17:00
◎1月1日(月・祝)0:00~2日(火)20:30
◎1月3日(水)8:30~20:30
◎1月4日(木)以降 8:30~17:30
「年頭祈願祭時間」
◎1月1日(月・祝)0:00~17:30
◎1月2日(火)~5日(金)7:00~17:30
◎1月6日(土)以降 8:30~16:30
〇筥崎宮(筥崎宮社務所)
住所:福岡市東区箱崎1-22-1
TEL:092-641-7431
https://www.hakozakigu.or.jp/
福岡市営地下鉄 年越し臨時列車
https://subway.city.fukuoka.lg.jp/topics/detail.php?id=1902
奇跡の光景“光の道”で知られる、全国に鎮座する宮地嶽神社の総本宮「宮地嶽神社」
三韓征伐で神功皇后が祈願をした神社と伝えられている開運と商売繁盛にご利益がある神社で、年間300万人が、正月の三が日は150万人の参拝者が訪れる九州を代表する神社のひとつです。シンボルでもあるしめ縄は、直径2.6メートル、長さ11メートル、重さ3トンの日本一の大注連縄。また、直径2.2メートルの日本一の大太鼓、そして重さは450kgもある銅製の大鈴と、3つの日本一があります。
そして宮地嶽神社といえば光の道。全国的に有名になったのは某アイドルが出演したCMで“光の道”が取り上げられたことでしたが、2月と10月の年2回しか見られない奇跡の光景は毎年たくさんの参拝客が光の道を見に訪れます。
海まで一直線に伸びる参道と景色は光の道シーズンでなくとも美しく、宮地嶽神社でしか見られない風景で、自然の美しさと共に神様を感じることができる場所です。また、大晦日~正月4日まで交通規制が行われます。JRにて参拝される方は、JR福間駅→神社間(1月1日から3日まで10:00~16:00)無料送迎ジャンボタクシーを利用してください。
〇宮地嶽神社
住所:福岡県福津市宮司元町7-1
電話:0940-52-0016
https://www.miyajidake.or.jp/
三社参りにプラスして参拝したいおすすめの神社5選
福岡市天神の中心地に鎮座する警固神社
西鉄福岡駅、福岡三越の隣にある神社で福岡市・天神の中心にある警固神社。神直日神(かんなおびのかみ)、大直日神(おおなおびのかみ)、八十禍津日神(やそまがつひのかみ)を祀り、福岡藩・黒田家の産土神でもあります。
元旦からは、陶器の土鈴などの縁起物や破魔矢などが当たる福みくじ(くじがなくなり次第終了)をひくことができます。また、無料で利用できる足湯があるので警固神社で初春の運試しをした後、天神で買い物し、戻ってきてまったり休憩するのもおすすめです。
〇警固神社
https://kegojinja.or.jp/
住所:福岡市中央区天神2丁目2-20
電話:TEL 092-771-8551
博多の総鎮守、博多祇園山笠が奉納される神社「櫛田神社」
博多三大祭のひとつ“博多祇園山笠”で有名な櫛田神社。“お櫛田さん”の愛称で親しまれている博多の総鎮守で、6月を除き1年中山笠が展示されています。2023年3月に地下鉄七隈線が延伸開業し、新しく「櫛田神社前駅」ができたことから電車でも行きやすくなりました。
年越し臨時列車もあります。
辰をかたどった土鈴や破魔矢「干支太鼓」などの縁起物はもちろん、櫛田神社の「福みくじ」(500円)は、近隣の企業などからの奉納賞が当たるハズレくじなしのおみくじです。奉納賞が当たれば、福みくじで当たった商品に加えて豪華な賞品がもらえるのでぜひチャレンジしてみてくださいね!
キャナルシティ博多や川端商店街にも近いので、参拝の後に川端ぜんざいを食べたり、ショッピングしたりと正月の楽しみを満喫できます。
〇櫛田神社
住所:福岡市博多区上川端町1-41
電話:092-291-2951(9:00~17:00)
福岡市営地下鉄 年越し臨時列車
https://subway.city.fukuoka.lg.jp/topics/detail.php?id=1902
交通の神様として有名な日本最古の神社のひとつ「宗像大社」
宗像大社は、日本神話に登場する日本最古の神社の一つで2017年には世界遺産に登録された、恋愛成就、縁結び、金運アップ、才能開花、交通安全などのご利益がある神社で、パワースポットとしても有名です。
正月三が日には全国から約10万人が参拝に訪れます。宗像大社でもおみくじに景品がついた「福みくじ」や縁起物などが揃いますので、古事記や日本書紀にも登場する日本最古の神社で、新春の運試しが楽しめます。
また、2023年4月に参拝者向けの無料休憩所がオープンしてから初めての正月となります。併設のカフェ「むなかた茶愉」も営業しており、隠し味のわかめが入ったみたらし団子「姫餅(きもち)」や、ピスタチオの生地の中に、フランボワーズのソースが入った焼き菓子「クーラン・ピスターシュ」などをテイクアウトすることができます。
カフェ内には現代アート作家たちの作品展示販売コーナーもあるので、ドリンクやスイーツをいただきながらアートを楽しんだり、神社内で食べ歩きもできたりするので、テイクアウト(イートインもあり)して神社内を散策するのもおすすめです。
〇宗像大社
住所:福岡県宗像市田島2331
電話:0940-62-1311
https://munakata-taisha.or.jp/
〇むなかた茶愉
住所:福岡県宗像市深田106
電話:050-8887-2672
時間:平日10:00~15:00 /土日祝9:00~16:00
年末年始特別営業
2023年12月31日(日)~2024年1月8日(月)まで
●12/31 通常営業 1部10:00~16:00
●年越し 2部 21:00~深夜2:00
●1/1~1/3 正月三が日 9:00~18:00
●1/4~1/8 初詣期間 9:00~16:00
日本三大住吉のひとつといわれている「筑前國一之宮 住吉神社」
全国に2,129社ある住吉神社の中でも、最初の神社と云われており、古書にも「住吉本社」「日本第一住吉宮」などと記されている博多区住吉にある「住吉神社」。また、住吉大神をお祀りしている神社は全国にありますが、そのほとんどが海側にあり、特に現在では大阪の住吉大社、下関の住吉神社、そして当社が日本三大住吉と云われています。
住吉造といわれる神社建築史上最古の特殊な様式でつくられた社殿は、国の重要文化財に指定されています。また、広大な敷地内にはさまざまな施設や名所があり、中でもおすすめなのが、博多人形師の中村信喬・弘峰親子の合作「古代力士像」で、右手のシワの形が力という漢字に見える事から、その手に触れると力をもらえると云われています。
2024年の三が日は、久しぶりに「正月住吉福つかみ」が行われます。(千本引き 3,000円、射的 1,000円)当たらなくても縁起物がもらえます。3日の11時から能の奉納があり、自由に観ることができます。また、正月限定の御朱印も用意されるのでチェックしてみてくださいね。
〇住吉神社
住所:福岡市博多区住吉3-1-51
電話:092-291-2670
安産・厄除け・子どもの守り神「紅葉八幡宮」
地下鉄藤崎駅から徒歩7分、福岡市の高取に鎮座している「紅葉八幡宮」は、江戸時代には黒田藩の守護神として、現在は早良の総守護として広く参拝されている神社です。特に安産・厄除け・子どもの守り神としての御神徳が篤く崇敬されています。
新年の参拝者は10万人を数え、高さ8m・周囲8.8m・重さ約8㌧と、末広を極めた日本一縁起の良い大門松が飾られています。元旦より開始の「もみじくじ(福みくじ)」(1回1000円)は、ハズレなしで必ず縁起物、豪華景品が当たります。1月10日までを予定しているそうですが、あまりの人気に一昨年は2日、去年は3日で終了したそうですよ。ご希望の方は早め運試しを。
また、1月3日の12時から振る舞われるサバちゃんこは、宮司家に代々受け継がれていた味を、お手伝いにきていただいていた方達にまかないで大鍋料理で出してたものが美味しいと評判になり、20年ぐらい前からみなさんに振る舞い始めたものです。この機会にぜひ味わってみてくださいね!
◎元日 歳旦祭
◎1月2日14:00~ 伝統芸能「筑紫舞」奉納
◎1月2日15:00~ 「紅太鼓」初打ち奉納
◎1月3日12:00~ 名物サバちゃんこ振舞い(200杯)※11時~整理券配布
◎1月7日13:30~ 児童による能仕舞に続き、14時ごろ九州博英館居合奉納
〇紅葉八幡宮
住所:福岡市早良区高取1-26-55
電話:092-821-2049
どの神社も縁起物や福みくじなど新春の運試しのコンテンツがたくさんで、より初詣を楽しむことができるのでは?地下鉄で行くことができる神社が増えたので、1日乗車券を買って電車で初詣巡りをしてもよいかもしれません。体調に気をつけ、混雑を避けて無理のない初詣を楽しんでくださいね!
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この記事を書いたひと
山内亜紀子
福岡の情報誌とWEBメディアにて編集・ライターを勤めた後、現在フリーの広報、ライターとして主に映画、グルメ、旅行、イベント等のコラムを執筆中。