52.4%が“オヤカク”経験…ますます「親」へのPRに力を入れる企業「自分で決めたら?」の声も
“オヤカク”という言葉をご存知でしょうか?企業が内定を出した学生の親に対して、「入社への同意」など意向を確認することです。内定を辞退する理由に「親の反対」を挙げる学生が増えていて企業は学生だけでなく、親へのPRにも力を入れています。
52.4%が“オヤカク”の経験があった
就職活動が本格的にスタートした3月。企業が、学生に好印象をもたれるように努力するのは、人手不足が懸念されるからです。企業の採用意欲が高まる一方、就職情報サイト「マイナビ」の調査では76.6%の企業が「採用が厳しくなる」と回答しています。学生優位の“売り手市場”にあって、企業に広がっているのが“オヤカク”です。内定を出した学生の親に、入社に同意しているかなどの意向を確認することです。
マイナビが今年1月に実施した調査では、52.4%の親が“オヤカク”を受けたと答えました。ほかにも「内定式や入社式への招待」や「保護者向け資料の送付」などの方法で親にアプローチする企業もあります。
マイナビ・土山勇福岡支社長「内定ブルーと言いますか、本当にこの会社でいいかな、この仕事でいいかと結果的に悩んで辞退してしまうというケースが高いのかな。やはり、一番の相談相手は保護者が多い。保護者の意見の影響も大きいと思います」
福岡市のマーケティング会社「あつまる」も学生の親を意識した採用活動をしています。
あつまる・石井陽介社長「親に相談して就職活動する学生が増えています。弊社は社内報で価値観・企業理念を伝え、安心していただく活動をやっています」
親の意見を判断材料にする学生が増加傾向?
“オヤカク”を実施する企業が増えていることについて、街の人に聞きました。
車関連の企業勤務(30代)「自分のことだったら、自分で決めたらって思います」
飲食業に勤務(20代)「自分が行きたい会社は、自分で決めることが大事かなと思います」
母親(60代)「本人が行きたいと思えばそれがいい。親は関係ないかなと思いますけど」
学生(20代)「(Q就職活動する時に親に相談とかしますか?)親の意見が一番正しいと思っているので、親の言うこと聞きます。(Q親が辞めたらと言ったら?)辞めます」
マイナビの調査によりますと、学生が内定先を決める時に相談した相手は「親」が61.9%と最高でした。内定を辞退する理由に「親の反対」を挙げる学生も増えています。その「親」が企業に求めるのは、「経営が安定している」が48.6%で最高。「福利厚生が充実している」や「休日・休暇が多い」などのワークライフバランスの関心も高くなっています。
就職活動中の学生「小さい頃から育ててもらっているので、自分のことを自分より知っている人間だと思っています」
より良い人材を獲得するためには、学生だけでなく保護者へのアプローチも重要になっているようです。
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この記事を書いたひと
三浦良介
1999年入社、テレビ営業部、大阪支社勤務を経て2011年から情報番組のディレクターを務める。2016年から報道記者として政治・経済を中心に取材奮闘中。