九州場所直前の福岡国際センターに潜入!地元のレジェンドにも遭遇
福岡の秋の風物詩・大相撲九州場所が間もなく始まります。RKBラジオのキャスタードライバー・スナッピーが、会場の福岡国際センターで、開幕直前の様子を取材、11月7日の『Toi toi toi』でリポートしました。(報告・スナッピー前田愛美)
砂で覆う前の土俵はツヤツヤ
大相撲九州場所の土俵には40トンの砂が使用されていて、42人の呼び出しさんが3日間かけて作ります。土は埼玉から運んできているそうで、年6回の本場所全て同じ土を使用しています。まず紐を張り、その紐に合わせて土を叩いて固めます。叩くのに使う道具は、主に鍬やビール瓶。ビール瓶は、俵を作ったり埋めたりするのに、形や大きさが丁度いいとのこと。土俵の作り方や材料は、基本的に江戸時代から変わっていないそうです。
砂で覆う前の土俵はまるでチョコレート加工されたようにツヤツヤしていました。そして、土俵の境界線である俵の部分よく見ると、端っこの方がせりあがっています。こうした方が見栄えがよくなるからだそうです。細かな気遣いがあるんですね。
呼び出し歴32年のくにおさんに、どんなことを思いながら土俵を作ってるのか伺うと「力士がケガをしないのが一番。それがお客さんの喜びにもつながる」と教えてくれました。
取材した日は土俵を作る最終日。10時頃から作業が始まり、2時間後には吊り屋根に紫色の水引幕と大きな房がついてほぼ完成していました。いよいよ開幕を待つばかりの会場。関係者は「嬉しいのはもちろんだが、いい意味で緊張もしてきた」と話していました。現場にいた私達もなぜかドキドキしました。
開幕前日には、安泰を祈願してスルメや洗米、勝ち栗など6品を神前に捧げる土俵祭りが行われますが、その鎮め物を入れる穴も土俵の真ん中に掘られていました。11月10日からはこの土俵の上で、力士達による力強い戦いが15日間行われます。
取り組み前の準備をする支度部屋
支度部屋には多いときで40人~50人の力士が入ります。入り口から一番遠い席(支度部屋全体が見渡せる場所)から、番付順に座布団とゴザを敷き、さらに「あけに」と呼ばれる、力士の名前が入った道具箱を置いて陣地分けします。あけにには、まわしやバスタオル、サンダルなどを入れています。
髷(まげ)を結ったり、準備運動したりするのも、この支度部屋。現役時代、国際センターの支度部屋を使用したことがあるという不知火親方に「隣の力士と距離が近いから、話をすることはありますか?」と尋ねたところ「番付が近いし、明日当たるかも知れないので、みんなピリピリしてあまり話すことはなかった」という答えが返ってきました。
ところで、そもそも福岡国際センターは大相撲のために作られた場所だということは知っていましたか? たしかにそう聞くと、会場が正方形で、屋根の形も東京の国技館に似ています。つまり、支度部屋をはじめ、力士たちが快適に過ごせる設備があちこちにあります。たとえばこちら。
力士達が練習をする鉄砲柱を挿し込むための穴が床に空いています。歴代の名力士もここで練習をしてきたということで、パワースポットになっているとのこと。鉄砲柱を使うほかにも、すり足をしたり、付き人にぶつかったりと、取組前の練習をここでしているそうです。
不知火親方が気に入っている場所として案内されたのは、この大きなお風呂。横幅は約2メートル、深さは約1メートル20センチもあり、身長147センチの私が入ると、顔までお湯に浸かります。現役時代、体重180キロあった不知火親方も、このお風呂なら広くて快適に過ごせたそうです。
トイレも一般的な便座より直径が大きく、私が座ったらすっぽり落ちてしまいそうでした。不知火親方も入門時は驚いたそうですが、今となってはこの大きさがしっくり来るそうです。通路も国技館と同じように広く作られていて、力士たちにとって過ごしやすい点がいっぱいあるということでした。
地元のレジェンドに遭遇!
取材を続けていると、住吉神社の相撲部屋で朝稽古を終えて国際センターに来た浅香山親方に会いました。優勝5回、三賞を15回、通算1047勝の勝ち星をあげた元大関魁皇。福岡県直方市のレジェンドですよね。今年、九州場所の担当部長に就任しました。
私と比べて手の大きさの違いにビックリ! この力強い手で勝利を掴んできたんですね。浅香山親方に、開幕3日前の力士達の様子を伺うと「稽古も追い込んでやっていて、場所が近づいてきたから緊張感もある」と教えてくれました。
今年の九州場所は場所前にして札止め(チケット完売)。28年ぶりのことだそうです。浅香山親方は「若手の力士が元気な相撲を取って活躍しているので、それが札止めに繋がったのではないか」と話していました。浅香山親方の気になる注目力士は、新大関の大の里。
場所によって応援の仕方も違うそうで、九州はとにかく活気があって独特なのだそう。皆さん全力で応援してください! 浅香山親方も現役時代はこの応援で力を貰ってたそうです。
ちゃんこ鍋までいただきました
中継の途中、ちゃんこ鍋もいただきました。すりおろした生姜と大根おろしが入った鍋は、スパイシーでとっても美味しかったです。中継が終わったあとも「もう一杯食べんね」とおかわりをいただきました。
事務局では毎日違うちゃんこが出るそうで、浅香山親方のお気に入りは豚肉をポン酢で食べるぶたちりだそうです。お肉が大好きな浅香山親方。スタジオにいる山口たかしさんの「『直方がんだびっくり市』でステーキ3枚食べたって本当ですか?」と質問に「4キロは食べた」と答えていました。現役を退いても食欲旺盛で、食べたあと体重計に乗って「食べすぎたー」とこぼしていました。
大相撲グッズもイマドキなものがいっぱい
九州場所で販売されるグッズもかわいい! これは、新商品のチケット入れ。迷子になる人が多いから、これを首にかけてもらおうということで作ったそうです。
続いては、ハンドクリーム。大学とコラボで作ったもので、力士が髷を結うときに使う「鬢つけ油」のとってもいい香りがします。この他にも、ヘアクリップやタオル、レトルトのちゃんこ鍋に国技館カレーなどもありました。グッズを手に入れるだけでも楽しめそうです!
さらに、九州場所限定でキッチンカーも9台登場します。ちゃんこ鍋やアジフライなど様々楽しめますよ。福岡国際センターの外ではパブリックビューイングもあるそうなので、飲食しながら応援もできます。
大相撲九州場所は11月10日から24日まで。キッチンカー、グッズも開幕から千秋楽まで登場します。チケットが手に入らなかったあなたも、ぜひ足を運んでみてください。
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前田 愛美
スナッピー
出身地:福岡県 誕生日:8月3日 趣味・特技 趣味:洋服を買うこと、温泉 特技:子供をあやすこと(赤ちゃんは私の抱っこで寝ます、小学生の心は一瞬で開きます。多分...笑 )・何時になんの番組が放送されているか答えられる事(友達からは番組表と呼ばれてました笑)