全国で相次ぐ山林火災。2月に発生した岩手県大船渡市での山林火災は、発生から41日目となる4月7日にようやく鎮火が宣言されました。先日は、長崎県五島市でも発生し、一時は避難指示も出されました。
日本は国土面積の約3分の2が山林で占められています。山林火災は春に多く発生し、月別の発生件数では4 月が最も多くなっています。
春の天候は頭文字にKの付く注意点が多く、まとめて「春の5K」といいます。これは、乾燥・強風・花粉・黄砂・寒暖差のことで、このうち乾燥と強風が山林火災の要因に直結するのです。
実際、福岡県や佐賀県では、今月に入ってほぼ毎日乾燥注意報が発表されるなど、空気がカラカラになっていて、なんと最小湿度が10%を切った日もありました。
この気象条件に人的要因が加わります。出火原因で最も多いのは「たき火」。全体の約3割を占めています。落雷など自然現象によるものはまれで、人間の不注意が主な要因となっています。ハイキングや山菜取りなどで入山する人が増える春は、特に火の不始末が多くなるのです。
桜の季節を終え、これから新緑の季節。山のレジャーを楽しむ際は、火の取り扱いに十分な注意が必要です。
横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2025年4月12日掲載
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