PageTopButton

『戦後80年の現在地 和解と平和への道』

2025年第8回 
制作:RKB毎日放送
ディレクター:大村由紀子

 

1945年6月19日深夜に始まった福岡大空襲。米軍が投下した焼夷弾で福岡市の中心部は焼き尽くされ、千人以上の死者・行方不明者が出た。

 

福岡市に住む冬至克也さん(71)の祖母ウタさん(享年55)も犠牲者の一人だ。しかし、悲劇はそれだけに止まらなかった。陸軍中尉だった父、堅太郎さんは、ウタさんの遺体を確認したあと、西部軍司令部で行われていたB29搭乗員の処刑に志願して加わった。4人を殺害した堅太郎さんは、戦後、戦犯として米軍から裁かれた。

 

死刑から減刑され、福岡へ帰ってきた堅太郎さんは、自宅の庭に自分が殺害した米兵のために地蔵を建立した。堅太郎さんの死後、福岡市の油山観音に託された地蔵は、西部軍で殺害された捕虜たちの慰霊の場となり、日米双方の関係者が集まって法要が営まれるようになった。

 

戦後80年、戦争の記憶が薄れゆく中、戦争による加害と被害に目を向けて和解し、平和への道を歩み続けようとする試みを紹介する。

 

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう