日本の障がい者総数、のべ1160万人余り。同じ数ほどの兄弟姉妹が存在するはずだが、その存在が明らかにされる機会は少ない。
ひらがなで「きょうだい」と表現される障がい者の兄弟姉妹たち。
福岡県在住の太田信介さん(50)は、画家で自閉症の弟・宏介さん(44)とアートビジネスで起業して13年目を迎えた。ドラマにも作品を提供。ビジネスパートナーとしてタッグを組むが、兄は若い頃弟の存在をひた隠しにしていた。
「どう説明したらよいかわからないし、話したところで場が暗くなるかもしれない」と思う一方、弟に対し後ろめたさを感じていた。そんな経験から信介さんは若いきょうだいたちを支えたいと「全国きょうだい会」の事務局長を務めている。
若い時は結婚問題に、中高年になると親亡き後の向き合いに悩むきょうだいたち。
北海道旭川市の八尾香織さんには知的障がいの兄がいる。
幼い頃から両親の関心の殆どが兄に注がれて来た。注目してほしい一心で勉学に励み受験・就活で勝ち抜いた。しかし今春、転勤が多い大手企業から地元の市役所に転職。自身のため、そして、年老いた親だけで兄の面倒を見るのは難しいから決断した。一方で母に「私たちのためにありがとう」と涙ながらに言われて癪、と言う。
三重県の大学生・大橋涼太さんには意思の疎通が出来ない寝たきりの姉がいる。
弁論大会で「障がい者のきょうだいを美談化しないで」と訴え、カミングアウトした大橋さんの思いとは。
(RKB毎日放送/石川恵子)






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