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黒川温泉の豊かな自然を一皿に映すガストロノミーが誕生

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山あいにひっそりと佇む、情緒豊かな温泉郷・黒川温泉。個性豊かなレストランが集う新たなスポットが誕生し、話題を集めていると聞き、バスに揺られ黒川へと向かいました。久しぶりに訪れる黒川温泉は、豊かな緑と川のせせらぎが心地よく、バスを降りた瞬間から別世界が広がります。
噂のスポットが「Au kurokawa(アウ クロカワ)」。旅館「奥の湯」のご主人、音成貴道さんが、温泉地の人手不足解消と地域活性化を目指して開発・運営する施設です。すでにベーカリー「Au Pan(アウ パン)」、熊本豚専門店「豚皇(とんこう)」、熊本あか牛専門店「褐-aka-(あか)」の3軒が話題を集めていますが、そこに新たに、フレンチ「KAZANE」と日本料理「翔隆」が10月1日にグランドオープン。今回は、注目の2店を訪ねました。第1弾は「KAZANE」のご紹介です。

KAZANEシェフ 施設より提供

「KAZANE」は、東京・表参道で9年連続ミシュラン1つ星とグリーンスターを獲得する「LATURE(ラチュレ)」がプロデュースするイノベーティブフレンチレストランです。「LATURE」といえば、ジビエや自家農園で育てた新鮮な野菜など自然の恵みを生かした料理を得意としており、黒川温泉という自然豊かな土地の魅力に魅せられて出店を決められたのだとか。出迎えてくださった中井みな美シェフは「LATURE」で経験を積み、ぜひ黒川の自然を料理で表現してみたいという思いでこの地に来られたそうです。

 まずは「玉蜀黍・赤うに・檸檬」のアミューズからスタート。甘いトウモロコシのブランマンジェとジュレの上には濃厚な赤ウニ、そこにレモンクリームの爽やかさがアクセントを添えます。「Au kurokawa」ではできる限り半径50㎞以内の食材を使うことをテーマにしていて、「KAZANE」も地元・熊本はもちろん、大分の海の幸なども取り入れているそうです。
2品目のアミューズは「真鯛と唐墨のタルト」。真鯛とカラスミに日田産のあゆの魚醤を和え、その下にクリームチーズを敷いたタルトは、異なる素材が重なり合い、奥行きのある味わいを生み出しています。

アミューズは全4品。次は「桜肉のタルタルと宮崎キャビアの最中」です。桜肉は脂ののったイチボを使っていて、キャビアの塩味とよく合い、さらに最中の香ばしさが生の素材の風味を引き締めます。
そして「鹿コンソメ」には黒トリュフと大分の郷土料理でもある「だご」、キノコやキクラゲをトッピング。暖かいスープにホッとします。

メイン料理を思わせる華やかなひと皿は、前菜の魚料理「ASOサーモン 温泉蒸し旬野菜のヨーグルトソース」です。南阿蘇の清らかな湧き水で育った国産トラウトサーモン(ニジマス)は、脂がさっぱりとして上品な旨みが広がります。彩り豊かな地元野菜は、生や温泉蒸し、揚げなど、さまざまな味わいと食感が楽しめるのも魅力。産山村産のハーブオイルを加えた香り豊かなヨーグルトソースが、素材の持ち味を引き立てます。

KAZANE料理

メインは「鹿のロースト」。黒ニンニクと鹿のジュを合わせたソースに、麦みそバターで仕上げた大分県産の椎茸を添えた、秋の気配を感じさせるひと皿です。鹿肉は、元料理人が捕獲から解体、精肉販売まで一貫して手掛ける「時さんジビエ」のもの。店内の窯で仕上げることで薪の香りを纏い、シェフの絶妙な火入れによって、しっとりと柔らかな食感に。ジビエの魅力を知り尽くした「LATURE」で研鑽を積んだシェフならではの技が、鹿肉の豊かな旨みを引き出しています。クセがなく食べやすいため、ジビエが苦手な人にこそぜひ味わって欲しいひと皿です。

そろそろデザートかと思いきや、登場したのはお口直しの「赤紫蘇 新生姜 花穂」のグラニテ。爽やかな味わいで口の中がすっきりしたところで、おなかの具合を尋ねられ、反射のように「まだ大丈夫です」と答えると、ピザ窯にピッツァが投入されました。熊本県産小麦を使った生地に、熊本トマト、ASOモッツァレラ、バジルを合わせた定番のマルゲリータと、イノシシのベーコン、栗、マイタケをのせた秋らしい味わいの2種類が、1枚で楽しめます。生地はもっちりとした食感で、フレッシュな素材の風味とも好相性。コース終盤にうれしい、遊び心あふれるひと皿です。

KAZANE料理

デザートは「プリンアラモード」。南瓜のプリンに、小国ジャージー牛乳とコーヒーの果皮「カスカラ」のシロップを合わせたミルクアイス、季節のフルーツが彩りよく盛り付けられています。どこか懐かしい「プリンアラモード」に、思わず心が和む、楽しいひと皿です。

ひと皿ごとに、自然の豊かさや季節の移ろいを感じられるコースに大満足。「KAZANE」(=風の音)を聞きながら、ゆったりとした時間を過ごしました。

第2弾は日本料理「翔隆」をご紹介します。

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