熊本地震で大きな被害を受けた上益城郡益城町。
三村一誠さん(35)が生まれ育った家も「全壊」と判定され、自分や家族の生活も大変な状況のなか、三村さんは家の片付けばかりの日々を送る人たちのために何か楽しいことができないかと考えました。そして、地震の2か月後、益城の空に気球を飛ばす活動を始めます。「多くの人に、純粋に楽しんで欲しい」「地震後、下を向いてばかりの人に空を見上げて欲しい」そして「自分の住む地域を、空から見て欲しい」。三村さんが友人たちと始めた「益城町に気球を飛ばそうプロジェクト」は、SNSで資金を募り、益城町の小学校や中学校、仮設住宅で気球を上げ続けました。しかし、回を重ねるごとに、資金が突き始めます。「“気持ち”だけでは活動を続けることができない…」三村さんは、現実の壁に直面しました。活動開始から1年。何とか費用に目途がつき、1年前に初めて気球を上げた益城町の東無田(ひがしむた)地区で再び上げることになりました。130軒ほどの集落のおよそ8割が全半壊の被害を受けたこの地区は、三村さんのふるさとです。三村さんは、「気球に乗って、自分の住む地域が復興していく様子を空から見て欲しい」と話します。
地震から1年数か月が経ったいま、気球から見える風景、そして三村さんの思いとは―。
(製作:RKK熊本放送 / ディレクター:吉村 由紀子)
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