福岡の地元民が通う博多のもつ鍋3選|食の専門サイト”UMAGA”セレクト
「タキビヤ。」の手がける進化形もつ鍋が、博多駅前で大人気! もつ鍋 六花舎
モダンな店構えから、すでにひと味違う何かを予感させる「六花舎」。博多駅から徒歩5分の場所とは思えない静かな場所ですが、さすが県外でも知られる人気店、週末はほぼ観光客で埋まる日も珍しくないそうです。
店に入ると、すぐ右手は広いオープンキッチン。快活なスタッフの一挙一動が、フロアに気持ちのいい躍動感を伝えていました。福岡の代表的建築デザイナー・中村久二さんによる内装も洗練されており、デートや大事なもてなしにも使えそう。奥の方には完全個室になるスペースがあり、こちらは3~5名で利用できます。
メニューには季節ものを含む料理やアテが並び、「タキビヤ。」のDNAを持つ上質な美味が味わえます。なかにはもつ鍋を頼まず、居酒屋として使う常連もいるのだとか!
まず頼んだのは、1週間ほどアゴ出汁に漬け込んだ「自家製明太子」(880円)。たかが明太と侮るなかれ。塩辛さを抑えつつ、1粒1粒に出汁の風味をほんのり効かせた上物です。
いよいよ本命のもつ鍋とご対面。九州しょうゆ味・胡麻みそ味・芳醇辛味噌味・麻辣辛味噌味から、今日は芳醇辛味噌を選んでみました(各1人前1,620円)。
「六花舎」のもつ鍋は、4種類とも華味鳥で取ったガラとアゴだしのダブルスープがベース。和の要素を巧みに配合し、パンチのある風味の中にもスッと舌に馴染む“綺麗さ”を生んでいます。さらにこの辛味噌味は、ガラを取る際に出た鶏油(チーユ)で唐辛子を炒めた自家製スパイス「六花唐」や、韓国産辛味噌などを加えて辛さをアップ。甘味や酸味のバランスが絶妙な、じんわりした旨辛さがより完成度を引き上げていました。
ひと噛みすると、文字通り溶けてしまうモツも特筆ものの品質。仕入れ先を探して南九州を駆け巡り、ようやく出会った信頼できる精肉店から卸してもらう逸品です。また、この鍋のキーポイントの一つであるゴボウの使い方も洒落ています。客に提供する直前、打ち粉をしてカラッと揚げたゴボウを乗せることで、スープのコクや食感をいっそう際立たせるのです。
聞けば聞くほど、惜しみない工夫と熱意に頭が下がる絶品鍋。これを考案した代表の行友宗敏さんに経緯を聞くと「僕自身もつ鍋が大好きで、ずっと趣味で研究してたんです。やがて自信を持てるスープが完成し、この鍋で僕らがどこまで行けるか挑戦したいなって」。もっともっと美味しくなるのでは……と研究はいまなお続き、すでに4回はレシピを変えているそうです。
「好き」を原動力に進化を続ける「六花舎」。すでに成熟しきったかに見えるもつ鍋という博多グルメを、次のレベルに引き上げるのはこんな店かもしれません。
「もつ鍋 六花舎」の詳しい情報はコチラ
39年変わらぬ味に大満足!7種のホルモンを使う老舗のもつ鍋 味鍋 味味(みんみん)
39年前に大名でオープンした「味味」は、その美味しさはもちろん、もつ鍋ブームの波にも乗って人気に沸いた専門店。
落ち着いた内装もなかなかアダルト。カウンターと掘りごたつの計16席は大名時代の半分ほどですが、いまは店主の首藤政博さんと女将さんの2人で切り盛りしているので最適な広さだそうです。
まずは一品料理で胃袋を温めましょう。「牛酢もつ」(660円)は肉料理かと思うほど弾む歯応えが楽しめる一品。他店では豚モツを使うことが多いのですが、ここではネクタイと呼ばれる牛の食道を採用し、これが独特の食感につながっています。
もつ鍋屋らしい王道メニューの「にらとじ」(550円)も、シャキッとしたニラが多めで高得点。自家製ポン酢の風味も良く、このシンプルな料理にひとサジの深みを与えています。ポン酢はそれぞれ2種類の醤油と酢をブレンドし、和出汁を加えて寝かせたもの。「牛酢もつ」にも、これに柚子胡椒を入れたバージョンが使われていました。
そして、甘い香りが立ちこめる定番鍋と久々の再会! この「味鍋“もつ鍋”」(1人前1,650円、写真は2人前)のスープも、福岡産の醤油2種類をベースに、鰹と昆布の出汁を加えて作るのだそうです。煮詰まりやすいものの、そこはご夫婦が細かく目配りし、すぐに濃度を調整してくれます。
それにしても本当に素朴で、思い出補正を抜きにジンワリと響く味。鍋が空になるまでほとんど箸が止まりませんでした。ちなみにメニューを見ると、本来の正式名はもつ鍋ではなく「味鍋」。首藤さんいわく「店名も味味で“味”の3乗。美味しい味だよって、初代が強調したかったんでしょうね」。はい、まったく名前負けしてない逸品です!
進化し続けるモダンなもつ鍋も好きですが、変わらぬ味もホッとできて良いものです。
なお2~3日前までに予約すれば、冷凍もつ鍋の持ち帰りや地方発送も受けてもらえます。
「味鍋 味味(みんみん)」の詳しい情報はコチラ
赤坂の和食店が振る舞う、極上スープのカレーもつ鍋 赤坂 なが沼
赤坂の「なが沼」は、界隈の会社員が夜な夜な憩う和食店。メニューには気軽なアテから大皿料理までいろいろと揃いますが、噂を聞いて気になってたのが多くのリピーターがいるという「特選和牛もつ鍋・ピリ辛カレー味」(1人前1,300円)です。
カウンターと個室仕様の掘りごたつがある店内で、気持ちよく迎えてくれたのは店主の永沼英明さん(写真右)。日本料理店で腕を磨き、縁あって4年ほど屋台を経営した後、当時知り合った相棒・椿原さん(同左)と2005年に「なが沼」を立ち上げました。
この店の料理はどれもさっぱりめですが、それでいて豊かな旨味を感じます。「単身赴任の常連さんが多いので、健康を考え薄味を心がけているんです」と永沼さんが言います。「それにきちんと出汁を取り、良い素材を使えば料理は十分美味しくなりますから」
「高知産金目鯛の酒蒸し」(1,800円前後)にも、そんな優しみが確かにありました。昆布を多めにした出汁を使い、一口ごとにかぐわしい旨味を引きだす一品です。
「高知産金目鯛の酒蒸し」(1,800円前後)にも、そんな優しみが確かにありました。昆布を多めにした出汁を使い、一口ごとにかぐわしい旨味を引きだす一品です。
「なが沼」が仕入れる鮮魚はすべて長浜の市場直送。他にもいろいろ試そうと、次は「穴子の刺身」(1人前1,400円前後/写真は2人前)を頼みました。するとこれが本当に極上品! 聞けば使っているのは、店主イチオシの対馬産ブランド「黄金あなご」。普通の穴子よりも脂の乗りが良く、あえて薄造りで提供しているそうです。
そしてついに、今宵の主役「特選和牛もつ鍋・ピリ辛カレー味」が堂々登場。まずは鍋からそびえ立つボリュームに「これで2人前?」と驚かされます。当初もつ鍋メニューは醤油味(1人前1,000円)だけでしたが、「少し変わったフレーバーを」と永沼さんが考えて追加したのがコレ。具材にはキャベツ、ニラ、黒毛和牛の小腸、豆腐、薄揚げを選んでいます。ニンニクは入らないので、翌日の匂いが気になる人にもオススメですよ。
鰹出汁に独自調合したスパイスを加えたスープが出色で、飽きのこないサラリと澄んだ味はまぎれもない“和食店のカレー”でした。
「一見スープカレーのようですが、ちょっと煮詰まった頃にベストな味になるように調整しています」という永沼さんの手際にも脱帽です。
コスパ良く楽しみたい時は、小鉢・煮物・刺盛・煮物・焼物が付く「カレーもつ鍋コース」(3,500円~)を予約してみては?
「赤坂 なが沼」の詳しい情報はコチラ
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