大分県の南部に位置する豊後大野市清川町。この地域では古来、農作業の合間に自家製の酒まんじゅうが愛されてきた。麹による発酵の力でまんじゅうをふくらませるのが特徴。今でも道の駅では人気商品である。
清川町伏野(ふせの)では、このまんじゅうを平日未明から製造している。加工所のメンバーは全員70歳以上。
開設したのはもう30年前の話。年齢的にも体力的にもメンバーたちの負担は年々大きくなり後継者探しが課題となった。「加工所の事務を手伝ってくれるし、作業の大変さもわかっているし、よく勉強するし適任だと思いました」と語るのは和田鈴香さん(73)。長男のお嫁さん・梢さん(42)に後継、加工所の仲間入りの白羽の矢が当たった。
経験と勘を養うことが引き継ぎの第一条件と豪語する姑、レシピやノウハウのデータ化でその味を継承することは可能と息巻く嫁。お互いがお互いに強い思いをもって、伝統や地元らしさを今に、未来へ強く引き継ごうと奮闘する日々を追う。
(OBS大分放送/北里邦寿)
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