第二話「玉せせり」その21~24
怨念の向かった先は、旧博多驛だった。そこには、「驛長」なる存在が、カタハネたちを待っていた。
「カタハネたちよ。せいもん払いではハンの者たちに遅れを取りましたが、今回は見事に怨念を集めましたね。あと少しです。あと少しで、念願の博多市が実現するのです!」
驛長は、カタハネたちをねぎらい、これで福岡市を博多市にする日が、また一歩近づいたと喜んでいる。
「ちょっと、どういうつもりね!」
かなめは博に食ってかかった。博は、「別に、あの声の主に忖度する必要はないだろう?」とうそぶく。
「ちょっと、待たんね!」
かなめは逃げようとする博の腕を取った。その時、再び、あの声が聞こえる二人。
「このままでは博多駅が、のうなって……」
博が腕をふりほどき、それ以上、言葉は聞こえなくなった。
どうにかゴミ問題は解決して、深夜のゴミ収集は、滞りなく行われるようになっていた。委員たちも出席し、いよいよプロジェクトは進みだした。だが、かなめは不安を拭えなかった。驛長という存在を、博多に害をなす不穏な存在に感じてしまったからだ。このまま、カタハネたちが「博多市の怨念」を蓄積し続けたら、いったいどうなるのだろう……。そんな不安を拭えなかった。
現在放送中!「第三話・どんたくのとおりもん」につづく
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