櫻井浩二インサイト

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のぞき・盗撮をどう防ぐ?災害発生時、避難所での性被害、その実態と解決策

梅雨末期に入り、今年も各地で豪雨災害が発生している。こうした大雨や地震によって、自宅にいることが困難な人たちのよりどころとなるのが「避難所」。だが、プライバシーが守られにくい状況から、のぞきや盗撮といった性犯罪が起こりやすい。被害の実態を調査している、静岡大学教授の池田恵子さんがRKBラジオの朝の情報番組『櫻井浩二インサイト』に出演し、具体的な対策について提言した。

櫻井浩二アナウンサー(以下、櫻井):避難所での性被害って、実際に結構あるんですか?

池田恵子教授(以下、池田):はい。私は「東日本大震災女性支援ネットワーク」という団体にかつて所属をしておりまして「災害復興時における女性と子供への暴力に関する調査」というのを行いました。そこからわかった性被害としては、
    ・ざこ寝状態の避難所で、わざわざ男性が女性の隣に寝に来る
    ・赤ちゃんに授乳しているのをずっと見られる
    ・更衣室が作られていない避難所での覗きや盗撮
    ・看護師が血圧を測っているときに胸を触られるなど、支援者に対するセクハラ
    ・避難所での強姦・強姦未遂
といった事例があります。また、避難所だけでなく、仮設住宅や在宅避難されていらっしゃる地区で、周りの方が避難してしまって、自分たちしか家にいない、というような場所でも、性暴力はかなりありました。

池田:同時に、調査をしてわかったことが「被害者の年齢の幅が非常に広い」ということです。未就学の子供から、60代まで幅広い方が被害に遭っているということがわかっています。子供も被害では、男の子も被害に遭ってるということがわかっています。

櫻井:避難所でこういうことが起こるっていうのは、性犯罪がしやすい環境だっていうことも言えるんでしょうか?

池田:いまは新型コロナなど感染症対策で、避難所の混雑をかなり緩和しなければならないという理解があるんですが、なかなかそうも言っていられないような大災害のときには、女性や子供の安全という視点が欠けたようなスペース活用を行ってしまっています。例えば「トイレを男女別にすることがない」とか「授乳室や男女別の更衣室を設置していない」とか。そういうことがしっかりと行われないと、やはり犯罪が起こりやすい環境ができてしまいます。

田中みずきアナウンサー:授乳だけじゃなく、普通に休んでるときだってそんなジロジロ見られたくないですよね、プライバシーがないような状況でも。

池田:こういったようなことがなぜその起こるのか、もう少し考えていくと、行政も、自主運営なさるような地域の代表の方も、男性が多いわけですね。女性が少ないので、女性専用の仮設トイレを置こうということがなかったり、授乳室も使い勝手の良いものがなかったりということが起きてしまいます。やはり、女性たちがどうやったら安心に暮らせるのかっていうことを発言しやすくする環境ってのは大事だと思います。

櫻井:避難所は男性の視点で作られているんですね。

池田:被災された方の支援を一生懸命にしてくださっている中で、どうしても余裕がなくて、その辺りまで意識が向かないっていうことがあるんでしょうね。

櫻井:いつ頃から「避難所での性被害」っていうのは確認されてるんですか?

池田:26年前の阪神淡路大震災でも、避難所での強姦事件があったということは報じられてはいます。しかし当時は、一部のメディアから「被害の証拠がない」「デマではないか」というふうに扱われてしまって、被害者を支援してきた人たちがバッシングを受けて、しばらく口を閉ざしてしまったということが起こってしまいました。「被災者が団結して頑張っているのに、こんな事件が被災地であったなんてことを、なんでわざわざ取り上げるのか」という風潮もあったというふうに聞いています。

池田:普段から性被害は訴えにくいものではありますが、それに加えて、災害時はみんなが余裕がないということもありますし「みんな大変だから」とか「命があっただけでもありがたく思いなさい」というふうに、被害を受けた人に忍耐を強いるような風潮まで加わってくるのが災害時ではないかなと思います。

櫻井:では、これからどのような対策をしていけばいいでしょう?

池田:まずは避難所の環境やレイアウトです。トイレは必ず男女別にするとか、避難所が開設されたらすぐに更衣室や、授乳室というものを設けていく。そういうことを女性の意見を聞いて行っていくということですね。それから避難所に限らず、巡回警備をしたり啓発のポスター貼ったりするなど、暴力は災害時でも許さないんだという活動も大事だろうと思います。

池田:また、普段から防災や災害対応を責任ある立場で女性も担っていくということも大事だと思います。行政でも災害ボランティアでも地域社会でも、避難所に限らず災害時のいろんな場面で代表者・責任者は男性ばかりということが多くて、意見を出し合ったり、いろいろ決める場に女性が少ないのが現状です。女性が責任ある立場で、災害への対応や被災者支援を担っていき、女性の声が反映されやすいという体制があると、このような問題も減っていくのではないかと思います。

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