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杜子春 芥川龍之介 著 その①


お金持ちの息子杜子春は、贅沢三昧の日々を送っていたせいで財産を使い果たし、挙句の果てにはその日の暮らしにも困るほど、哀れな身分に・・・。

ある日、唐の都洛陽の西の門の下で途方に暮れていると、一人の老人が声をかけてきて、黄金のありかをおしえてくれた。そのおかげで、杜子春は一夜にして再び大金持ちになったのである。

貧乏な時は挨拶もしてこなかった友人たちも、杜子春が大金持ちになったと知るや否や、連日のように遊びに来るようになり、みんなで毎日贅沢に遊び、性懲りもせず・・・杜子春は黄金を使い果たしてしまったのであった。

杜子春が再び西の門で途方に暮れていると、あの時の老人が現れ、同じように黄金のありかを教えてくれ、またもや黄金を手にした杜子春であったが・・・

なんということか、同じ過ちを繰り返し、黄金も失い友人たちも愛想をつかされ、みたび西の門へやってくると、やはりあの老人がやってきたのであった。

しかし、杜子春は、黄金のありかを教えようとする老人の言葉をさえぎって「金はもう要らない」と告げたのである。

10月2日放送 担当:田中みずき

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