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世界最大を削る!68歳の鉋職人

木材の表面を削り加工するための工具「鉋(カンナ)」古来より日本の伝統工具として用いられる。その技術が大工職人の技量と比例すると言われるほど、鉋は大工職人にとって数ある道具の中でひときわ特別な道具である。削り上げる鉋クズは1000分の1ミリマイクロメートル単位にまで及ぶ。鉋を自由自在にあやつり、68歳にして世界最大級を削り上げた職人が大分県由布市にいる。

「高野家具製作所」を開く高野二郎さん。
オーダーメイドの家具を依頼者の意向に沿って作り上げる職人歴45年のまさに匠。彼の腕を信頼する人は多く、大分が誇る別府・由布院の老舗旅館からの引き合いも多い。

そんな高野さんがオーダーを受けたのは「世界最大級の木製スピーカー」。スピーカーにしてほしいと言われた素材はブビンガといわれる大木。ほんの僅かなズレが大きな音の歪みの原因となってしまう音響機器。多くの職人が依頼を断るなか、臆することなく依頼を受ける高野さん。一枚の巨大板から世界最大の規模を作り上げ、日本のみならず海外の音響メーカーからも絶賛される逸品を削りだした。

68歳にしてなお、職人の先頭として歩き続ける木工職人。その熟練された技と、鉋への思いに迫る。

<取材先データ>
会社:高野家具製作所
担当者:高野二郎
住所:大分県由布市挾間町鬼瀬770-10
電話:097-583-5036
HP:http://takanokagu.sunsun-net.com/ その他:世界最大の一枚板スピーカー展示場所
会社:森山銘木
担当者:森山吉龍
住所:福岡県朝倉郡東峰村小石原973-1
電話:0946-74-2227
HP:http://www.tohosci.com/office/manufacturing/14.php 定休日 盆、正月
営業時間 8:00~17:00 地図はこちら>>

取材後記

一枚板では世界最大を誇る、木製スピーカーを削り上げた大分県由布市の木工職人・高野二郎さんを取材させて頂きました。職人と聞くと、どうしても「怖い」「頑固者」をイメージしてしまうのですが、高野さんはそのイメージとは正反対の職人でした。 番組内では職人の顔をした高野さんを多く取り扱いましたが、普段は常にニコニコ。そういった顔ももう少し取り上げてもよかったかなぁと番組を作った後に思っています。家具製作の注文が絶えず高野さんのもとにくるのは、技術はもちろんですが高野さんのそういった面に惚れこんでいる方が多いだろうなと勝手に納得しています。

スピーカーは圧巻の一言でした。所有者の森山さんに取材後、コーヒーを頂いてじっくりと音楽を聴かせてもらったのですが、音響機器に関して全く知識のない私にもすぐに普通のスピーカーとの違いが分かるほどでした。「このスピーカー売るならいくらぐらいですか?」と尋ねたら、「絶対に売りません!」と前置きがあった上で「2000~3000万ぐらいかな…」とのこと。また、あのスピーカーを最高の状態で聴くためには200畳の部屋が必要なんだとか。全てにおいてスケールがけた違いです。

CDを持参したら掛けてもらえるので、お気に入りの曲でド迫力のスピーカーを体験してみてはいかがでしょうか。一度聴くとスピーカーの新しいを発見できると思います。営業時間などは取材先データで確認してください。
OBS 大分放送 植村 裕

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