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善玉菌・悪玉菌のほかにいる日和見菌とは!?腸内細菌について詳しく解説【Let’s美腸生活 #2】

大賀薬局

体内の不要なものを排泄物として体外へ送り出してくれる重要な臓器「腸」。【Let’s美腸生活】では、心身ともに健康な生活を送るために、とても大切な「腸」の機能や役割を、数回にわたって詳しくご紹介していきます。今回のテーマは、体だけでなく心の健康にも深く関係している腸内細菌です。

(前回コラムはこちら)
腸年齢をチェック! 知ってるつもりで知らない、腸の仕組みと大切な機能 【Let’s美腸生活 #1】

腸の中のお花畑「腸内フローラ」

腸内の環境を左右する腸内細菌は、人と共生する関係にあります。食物から得る栄養素を餌に発酵することで増殖し、様々な代謝物を生成することで体の機能に大きな影響を与えているのです。
腸内細菌、腸壁の粘膜に約100兆個生息しているといわれ、その総重量はなんと約1.5キロ。腸壁の粘膜にびっしり、まるでお花畑(フローラ)のように生息していることから「腸内フローラ(腸内細菌叢)」と呼ばれています。


腸内細菌は大きく分けて、以下の3つに分類されます。
  1. 善玉菌・・・代謝物が消化・吸収機能に役立ち、健康維持や老化防止など、人体に良い影響を与える
  2. 悪玉菌・・・便秘や下痢を招いたり、代謝によって有害な毒素を作ったりするなど、人体に悪い影響を及ぼす
  3. 日和見菌・・・腸内細菌で最も多いグループ。善玉・悪玉のうち数的に優位なほうに味方する

 

腸内細菌の理想的なバランスは、善玉菌:日和見菌:悪玉菌=2:7:1といわれています。この比率が逆転し、悪玉菌が2割を占めてしまうと、腸内環境が一気に悪化し、様々な弊害が起こってきます。

腸は外敵と戦う最前線地帯


そもそも食物は体の外から入ってくるもの。それを消化吸収する腸は、食物の栄養素を取り込むという意味で、絶えず異物(外敵)にさらされる体内の「玄関口」といえます。そこで免疫細胞は、外敵を玄関でせき止めるため腸に集まって仕事をします。
しかし、胃や十二指腸で消化液が十分に分泌されないと、未消化の食物が小腸に流入してしまい、小腸では本来の役割である吸収がうまく行われません。そうなると、小腸の状況が悪化し、免疫細胞たちも通常の働きをしづらくなります。
さらに、小腸で栄養素の吸収が十分に行われていない状態の食物が大腸に入ってくると、余分な栄養がエサとなり悪玉菌が増加。その結果、大腸の環境が悪化し、免疫機能はさらに低下してしまいます。体内の玄関である腸で、免疫細胞たちにしっかり働いてもらうためにも、腸内環境を整えることが重要になるのです。

老化が始まるのも腸?

生まれたばかりの赤ちゃんの腸内は無菌だといわれています。つまり、腸内細菌は遺伝ではなく、周囲の人との接触によって細菌感染し、増えていくのです。ですから、母親はもちろん、出産時に接触した産科医、助産師、看護師といった人たちの腸内細菌が感染している可能性もあります。
そして、その人の腸内細菌バランスは、幼児期にほぼ決まり、その後は大きく変化しなくなるといわれます。しかし、まったく変化しないわけではありません。つまり食生活と生活習慣によって、微妙に変化するのです。この“微妙な変化”が大きなポイント! なぜなら、2割を占めるのが悪玉菌か善玉菌かで、体調に大きく影響してくるのですから。

さらに60歳を過ぎると、善玉菌であるビフィズス菌が減り始めて、悪玉菌であるウェルシュ菌、大腸菌などが増え始めるといいます。現在、詳細は解明されていませんが、消化液の分泌が減ってしまう、小腸での吸収量が低下するなどといった、加齢による消化吸収力の低下が、腸内細菌のバランスを変化させ、腸内環境を悪化させてしまう原因になっていることが考えられます。

次回は、腸内環境が体に与える影響と改善法についてお伝えします。
ガン、老化、便秘、肌のトラブルの原因は腸にある!【Let’s美腸生活 #3】

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この記事を書いたひと

大賀薬局

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