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新型コロナ流行がもたらした「よかったこと」について考える

新型コロナウイルスの流行によって、私たちの暮らしは大きく変わった。常にマスクを着用して生活する。建物の中に入ったら消毒と検温をし、大人数での会食はしない…。新しい“当たり前”が次々に生まれた。苦痛を伴うものも多いが、一方で以前よりもよくなった面もあるのではないだろうか。「日本医学ジャーナリスト協会西日本支部」主催のシンポジウム、「パンデミックが変える社会と報道」は10月16日、福岡市内の大学で開かれた。

コーディネーターとして参加したRKBの神戸金史解説委員が、ラジオの情報ワイド番組『櫻井浩二インサイト』で、次のように語った。
シンポジウムのテーマである「報道」についていえば、新型コロナの感染拡大によって、さまざまな問題が報道によって明らかになった。たとえば、女性や非正規労働者など、弱い立場の人ほどコロナ禍の影響を受けやすいということが、報道によって顕在化された。それによって弱者に目が向けられるようになったことは良い面だといえるのではないだろうか。

 

また、報道に限らないが「コロナ流行で起きた、残したい変化」について、登壇者の一人である西日本新聞特別論説委員でコラムニストの永田健さんが次のようなことを挙げていた。

①「ちょっと体調が悪くても、出社する人の方が偉い」という考え方が変わった。風邪をひいても来い!という精神論ではなく、合理的に行動することが芽生えた

②とかく自助が強調される今の時世で、誰もが公助・共助を必要とする場面が起こりうることに皆が気づいた。「助けて」と言いやすくなったのは決して悪いことではない。

③「ぼっち」が当たり前になった。一人ぼっちがからかわれる風潮があったが、密をつくることなく消費することが推奨されるようになった。

 

この1年でリモートワークが大きく進んだと思っている人もいるだろうが、関西学院大学の鈴木謙介准教授によると、日本の全労働者の6割はリモート化できない仕事をしているか、リモート化すると仕事を失う人たち。特におよそ2000万人いるとされている非正規雇用労働者の仕事は販売や窓口など対面でないと働けないものが多い。その結果、リモートで働ける人とそうでない人の間で、様々なリアリティの差が開いてしまった。

しかし、従来の対面の会議や紙の資料配布が不要の場合があることを、私たちは知ってしまった。生活スタイルに合わせた働き方も、さらに推進されるだろう。新型コロナの感染の心配がなくなっても、よい面はその後も残るだろう

 

神戸解説委員のコメントに対し、番組パーソナリティの櫻井浩二アナウンサーは「ムダな飲み会が減ったこと」、本田奈也花アナウンサーは「手洗いやうがいが習慣化したことで、体調を崩しにくくなった」ことを「コロナ禍がもたらしたよかったこと」として挙げた。

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