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日本の海にひじき畑を!

日本人の食卓にお馴染みの「ひじき」。 カルシウムや食物繊維が豊富でカロリーも低く、古くから日本の食文化として根付いている。 大分県佐伯市にある海藻加工食品会社・山忠は、ひじき加工品生産シェア国内№1を誇る。ひじきは生では食べられず、 乾燥させてから加工されるが、従来の方法では大窯に入れて高温・高圧で加工するためムラがあり、水に戻すと風味や食感が落ちていた。

そこで社長の山城繁樹さん(64)が「ノンドリップ蒸煮製法」 (特許取得)を発案、低温・短時間で加工することで水戻し後も風味を保つことに成功した。 実はひじきを含めて、海藻を食べるのはほぼ日本人だけだという。

しかし国内で流通するひじきの大半が外国産。 山城さんは日本の食文化を外国産原料が支えている現状を憂い、 また安定供給も見据えて国産ひじきの生産量増加のため「ひじき畑」と銘打った養殖場を各地に設置している。 養殖場の設置は生産量増加のみならず、雇用の創出・生産者の収入増・藻場の再生=海水の浄化にも一役買っている。 ひじき畑を通じて食文化の継承、地産地消、海の環境保全を目指す山城さんの取り組みを追う。
<取材先データ>
会社名:株式会社 山忠
住所:大分県佐伯市鶴谷町1-4-30
電話:0972-23-3344
HP:http://www.seaganic.co.jp
これまで全く意識することなく口にしていた「ひじき」。
「県内にひじき加工品生産量が日本一の会社がある」と聞き、何となく気になったことが今回の 取材のきっかけでした。

「ひじき畑」という言葉も最初は意味すら分かりませんでしたが、 取材を進めると「ひじき(海藻)は日本人ぐらいしか食べないのに、大半は外国産」→「国産ひじきの収穫量を上げたい」→「ひじきの養殖(ひじき畑)を増やす」という山城さんの想いに引き込まれていきました。

温暖化の影響か、天然ひじきの収穫量はここ数年減少しているそうです。 ますます「ひじき畑」の重要性が高まります。
海の浄化、漁業関係者の収入にもつながる「ひじき畑」。どんどん日本の海に広がることでしょう。
担当:OBS大分放送 樋口昌平

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