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『超えていけ!麺業界の概念』

いまや国民食といっても過言ではないラーメン。豚骨ラーメンや二郎系、家系などその種類も様々だ。

 

この異なる業態のラーメンを一手に運営している会社がある。1994年創業、大分市に本社を置くヤマナミ麺芸社。大分のほか福岡や熊本、鹿児島の4県で8業態28店舗を展開。毎年売上高を更新している勢いのある会社だ。

 

社長を務める吉岩拓弥さん(46)は創業者の父・規雄さんが2003年に他界したことを受け、弟の正純さん(44)とともに会社を引き継いだ。当時は豚骨ラーメンのみの営業だったが全国を食べ歩き、大分にない味を取り入れるため自社の製麺工場を新設。麺の太さや形態を調節する約30種類の切り刃をそろえ、どんな業態の麺も製造可能に。

 

自社店舗のほか同業他社からの注文も受けるようになり、供給先は約260店舗と売上高の15%を占める経営の柱となっている。また地域で愛されながらも閉店した店の味を引き継ぐ事業も展開。食文化の継承にも力を入れる。

 

「日本食の麺は世界に通じる魅力のある業界」と話す拓弥さん。製麺技術の向上と飽くなき探求心でバージョンアップを繰り返しているヤマナミ麺芸社。吉岩兄弟が次に見据えるのはグローバル化だ。

 

(OBS大分放送/佐藤康太)

<取材先データ>  
株式会社ヤマナミ麺芸社
代表取締役:吉岩拓弥(46)、専務取締役:吉岩正純(44)
住所:大分県大分市日吉町4番3号
電話:097-558-0113
HP:https://yamanami39.com

取材後記

私はラーメン店によく通うのですが、行く先々の店舗内で目にする「ヤマナミ製麺所」の看板が気になっていました。調べてみると系列店以外にも麺を卸している「ヤマナミ麺芸社」という企業に行きつきました。

 

通常の製麺所に発注する場合、数パターンの中から選ぶ形式が多いといいます。ヤマナミ製麺所では、小麦粉の種類やかん水の量はもちろん、麺の太さや長さ、ストレートか縮れさせるかなど細かく調整ができ、その店独自の麺を注文できるシステムを構築していて、現在約260店舗に卸しています。

 

取材をして一番驚かされたことは、効率よく生産ラインを組むことで多くの注文を一つの工場内で対応していることでした。

 

今回、世界一の鍵として紹介した米粉麺の工場は吉岩社長曰く「研究所」とのこと。まだ稼働を始めたばかりですが、そこから生まれる麺を食す日を楽しみに待ちたいと思います。

 

(OBS大分放送/佐藤康太)

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