PageTopButton

海藻、七変化!~アジアの食文化へ挑む~

海の栄養を受けて育った海藻はミネラルや食物繊維が豊富で、しかも、低カロリーの食材。
海藻はこれまで日本人の健康を支えてきたが、外国には食べる習慣が無い。 熊本県宇土市に本社を置き、?モズクや色物海藻の取扱量日本一を誇る海藻の総合メーカー「カネリョウ海藻」の髙木良將さん(26)には 「外国の人も海藻を食べて健康になって欲しい」という目標があり、海外で受け入れられる商品開発に取り組んでいる。

海藻は採れたてが一番美味しく、いかに海藻本来の風味・食感を残す加工ができるかが製造のカギとなる。それを実現させたのが、 会社が独自に開発した加熱冷却機だ。海藻自体に電流を流し自己発熱させ、原料へかかる負担を少なくするというこれまでにない機械によって、 安定した品質の商品製造が可能になり、開発の幅も広がったのだ。

6月下旬に台湾で行われるアジア最大級の食品見本市へ出展することになった髙木さんが注目したのが「アジアの麺文化」。
アジアには様々な麺料理があり麺への馴染みがあると考え、海藻から抽出したエキスで「海藻麺」を作った。
さらに、海藻サラダを具として、昆布茶をタレにして混ぜた海藻三昧の試作品を考案。アジアの人の反応は、いかに?
<取材先データ>
会社名:カネリョウ海藻㈱
担当者:髙木良將(たかき よしまさ)
住所:熊本県宇土市笹原町1544
電話:0964-23-1537(代)
HP:http://www.kaneryo.co.jp/

取材後記

髙木良將さんは26歳。
子どもの頃から「海藻」は身近にあったそうですが、実は、食べるのは苦手だったとか。
外食や給食で出された海藻(もずくの酢の物)を食べた時、その食感の無さに苦手になったそうです。
それが、入社後、キチンと処理された自社の商品を食べて、海藻本来のコリコリとした食感を知った時、一転、好きになりました。
「その時、海藻の処理の大切さを改めて感じた」と髙木さんは話しています。髙木さんは会社に入って3年目。まだそれほど日が長くないので、
「海藻のことを深く知りたい」という思いが溢れています。
「とさかのり」漁を見に行った漁協で、気になることや知らないことがあると色々質問していた姿をはじめ、今回の取材中、髙木さんの言葉の端端から「海藻を深く知りたい」という思いが感じられました。
 
海藻は、同じ海域で採っていても、年によって収穫量が変わります。
取材した天草市五和町の「とさかのり」は、今年は豊漁とのこと。
「とさかのり」は、採った時期や水深によって微妙に色が変わり、採れたモノによって加工の仕方も変えるそう。 紅色が強いものは、天日で干すと鮮やかな赤色になるので「赤とさか」に。
色が薄いモノは、アルカリ処理をして「青とさか」に。
アルカリ処理と天日干しを数回繰り返すと脱色され「白とさか」になるんだとか。
 
髙木さんの「世界の人に海藻を食べて欲しい」という目標の裏には、「海藻を採る文化も広めたい」という思いもあります。
各国にはそれぞれ、その地ならではの海藻があり、それを食べること、つまり「海藻の地産地消」を手助けしたいと、話されていました。
 
原料の仕入れ先が日本全国、さらに世界にまで及んでいるカネリョウ海藻。
各地を飛び回る髙木さんの日々は、しばらく続きそうです。
 
担当:RKK熊本放送 松原庸児

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう