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が~まるちょば五輪開会式「ピクトグラム」の舞台裏を語る

東京オリンピックの開幕式で視聴者の目を釘付けにした「ピクトグラム50個パフォーマンス」。国立競技場でのライブとVTRを織り交ぜて構成したあの演出を担当したマイム・アーティスト・が~まるちょばがRKBラジオ『櫻井浩二インサイト』に出演し、舞台裏を語った。  
櫻井浩二アナウンサー(以下、櫻井) 東京オリンピックの開会式を振り返って、私にとってはなんだかんだで一番印象に残っているのが、あのピクトグラムのパフォーマンスです。
が~まるちょば ありがとうございます。
櫻井 あのパフォーマンスには3人がいましたが、中心で再現していたのが、が~まるちょばさん?
が~まるちょば 実は違います。結構、世間の人たちはメインのピクトグラムがが~まるちょばだと思っているみたいですが、僕はもともとクリエイターとしては参加していたんですけれど、当初は出演の予定がありませんでした。結果的にはカメラマンとして参加しています。
櫻井 映像を映していたのがが~まるちょばさん?
が~まるちょば そうです。開会式が有観客になるか無観客になるか直前まで分からなかったので、あのパフォーマンスは360度、どの位置からみても面白く観られることを意識して作りました。

だから、舞台上にはメインのピクトグラムと黒子役の白いピクトグラム、そしてそれを撮影するカメラマンのピクトグラムと、要はパフォーマー3人だけの世界で全部やろうということで。

作品を構成していく過程で僕は「カメラを構えてこんなふうに撮ったらこんなふうにできるよね」みたいな感じで作っていたんですが、その撮影をオリンピック公式のカメラマンにお願いするわけにもいかず「僕がやるしかない」ということで。
櫻井 たしかに、あのカメラワークやカメラアングルもかなり計算されてましたよね?
が~まるちょば いやもうね、はい、そうです。結構大変だったんです。与えられた5分間で50のピクトグラムを再現する、しかもお客さんが楽しく見られるように構成するのに、どうやって表現するかいろいろ考えました。結局、3か所に事前に収録した映像があるんです。
櫻井 ありました。指でこうスイミングしたりとか。
が~まるちょば あと馬のシリーズと、柔道の道着を着ているシリーズが収録でした。競技場では、VTRが流れている間に、次の表現のための準備がされているんです。

かなりワチャワチャしていて、それを(競技場で)見ていても面白いように作っいるので、現場にいたアスリートたちにも楽しんでもらえたかなと。

ちなみに、ピクトグラムって1人しか出てこないものと、2人で表現するプログラムがあるんですけど、そのときは3人ともパフォーマンスしなきゃいけないということで、僕はそのときだけカメラを三脚に据えて演技に加わっています。
櫻井 どれぐらいかかりました、あれ考えるのに?
が~まるちょば お話をいただいたのは、今年の2月ぐらいです。もちろん、毎日練習したとか毎日考えたというわけではありませんが、緊急事態宣言もあって予定の稽古ができなくなる状況に陥りました。

結局、国立競技場に入ったのは2週間前ぐらいで、舞台に立てたのは4回か5回くらいです。いくつかあった表現の候補のうち、どれを選ぶかは前日まで悩みました。
櫻井 あれが完成形で、最後の形だったんですね。
が~まるちょば ライブでやるものですから、事故も起こりやすい。映像が途中で途切れることもあるから、すべて事前に収録した映像で済ませることもできたわけです。

だけど、事故が起きたとしても、その場でライブでやっている面白さをオリンピック委員会の方の理解もあって、あの5分間が実現できました。
櫻井 バドミントンのところでちょっとミスしてしまいましたけど、あれもライブならではのことだということなんですよね?

が~まるちょば:櫻井さんはミスって言いましたけれど、あれがミスかどうかは分からないですよね?
櫻井 なるほど(笑)
が~まるちょば あれもパフォーマンスの一つだとしたら、どうでしょう。でもそれはライブだから、見た人が感じてくれる。

これをこうでしたって言っちゃうから、結局つまらないものにもなってしまうので。僕の仕事はパントマイムなので、最良の形でお客さんに届けるのはやっぱり映像ではなく舞台なんですね。

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