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極小の技術がでっかい宇宙へ!

ビジネス
現代の生活はこの企業なしに成り立たない!?パソコン、スマホ、自動車、飛行機など、その至るところに関係している。八女郡広川町にある町工場・中島田鉄工所。一体何を作る企業なのか。本社玄関を入るとまず目に飛び込んでくるのは…ディスプレイされたネジ、ネジ、ネジ。最大のものでも3cm程度。小さいものになると5mmにも満たないものも。そう!中島田鉄工所はネジを作る会社なのだ!かと思えばそうではなく、そのネジを作る機械を作っている、いわば「ネジ製造機」を作る会社。その製造機が世界的に高評価を獲得し、作り出されたネジが現代の生活にあふれているのだ。

スマホに使われているネジに関しては、ほぼ100%と言っても過言ではない。とにかく小さなネジの製造機を作るのが得意。直径2.5mm以下のネジ製造機においては世界シェア50%を誇る。明治44年創業。当時から育んだ技術力が評価されて、なんと今、宇宙に関する事業にも挑戦。昨今地球規模で議論されている「宇宙ゴミ問題」の解決に糸口を見出したのだ。

東北大学と共同で開発した装置DOMを人工衛星に装着し打ち上げると、役目を終えた人工衛星が宇宙を彷徨わず、大気圏内に軌道を変え消失するというもの。小さなネジを作る技術がでっかい宇宙で生かされる時が来た。
■取材先
会社名:株式会社中島田鉄工所
担当者:常務取締役 野田久司さん
住所:福岡県八女郡広川町大字日吉1164-4
電話:0943-32-4331
HP:http://www.nakashimada.co.jp

取材後記

“誰かに早く言いたい!”と思ったのを鮮明に覚えています。
取材で初めて中島田鉄工所に伺った時の記憶です。驚きの連続でした。
この最初に感じた思い・驚きを視聴者の皆さんに伝えようと、知的好奇心を余すことなく伝えようということを念頭に今回は取材・編集に取り組みました。

「ネジの製造機世界一」その情報だけを持って打ち合わせへ。あのネジも!このネジも!中島田鉄工所の機械で作られていることを聞き、知れば知るほど引き込まれました。

さらに、ネジの作り方。これにもびっくり。これまでの人生で何度となく目に、手にしてきたネジがどうやって造られているのかということを考えたことはなかったけれど、なんとなくぼんやりと、ドロドロに溶かした鉄をタイ焼きの要領で、型に流し込んで形作っているのかなあと無意識ながら頭にありましたが、その固定概念が覆されたのです。そして、その精巧さ。皆さんもネジをよく見てください。小さければ小さいほど、なぜこんな形にできるの?と思考が迷宮入りしてしまいます。番組にも登場しますが、わずか直径0.7mmのネジにこれまたわずか0.4mmの穴を開けているんです。しかもど真ん中に。しかもそれがすごいスピードでたくさん造られているのです。まさに「ものづくり大国ニッポン」を支える企業、中島田鉄工所。こんな身近にあったとは。

まだ伝えたいことがあります。これは放送分数の都合でカットしてしまったのですが…これまで40~50年にわたって造ってきた機械。調子が悪い、一部が壊れて動かない。そんなお客さんからの声にもしっかり応えられるのがまたすごいところ。製造した製品の全設計図を今でも保管しており、修理してまたその機械を蘇らせることができるのです。設計・加工・組立まで一貫して取り組んでいる中島田鉄工所だからこそ。経験・技術の蓄積です。

そして話は、そういった小さなネジを造る超精巧な技術が、大きな宇宙にまで展開していきます。極小のネジから宇宙まで。スケールの大きなストーリーです。その根底には社長の少年のような思いがありました。とにかく早く、皆さんに見ていただきたいです。
中島田鉄工所の皆さん、ありがとうございました。
担当:RKB毎日放送 松井智祉

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